東京藝術大学の動画チャンネルで、オーボエを教える吉井准教授が、オーボエリード作成の詳細を紹介しています。准教授曰く、「朝から晩までリードを作ってるのが、オーボエストの生涯って感じですね」と、リード作成に掛ける時間と労力、熱意を表現していました。
ダブルリード楽器であるオーボエのリードは、細身の乾燥ケーンスティックを、奏者自ら3分割するとことから作り始めます。その後、プレガウジャー、ガイジングマシン、シェイピングマシン等の道具で形状を整え、削っていきます。最終的に小刀のようなリードナイフで微調整をしていくそうですが、「リードナイフ持ってる時間のほうが、楽器持ってる時間より長いですね」、とのこと。
いやあ、そうですよね。リードは作るものですよね。「箱の中に数枚しか使えるリードがない」、なんて愚痴を言ってる自分が恥ずかしくなりました。はい、サックス奏者はリードに対して甘えてました。ご免なさい。今更ではありますが、リードの調整の作業を振り返ってみます。
サックス奏者で、「リードは作るもの」という考えの人はあまり多くありません。メーカーの製品の精度が高いのか、奏者が寛容もしくは鈍感なのか、細かい作業が苦手なのか、原因は色々ありましょうが、「リードは調整すれば、良く鳴るようになるものもある」、あたりがサックスのリードメンテナンスの一般的な考え方でしょう。しかし、メンテがほぼ不要な樹脂リードの進化に反発するかのように、近年「リードの調整」への注目が高まっているようです。
かなり昔から、バンドレン社のリードリサーフェイサーは、リード調整用の定番アイテムです。やすり加工された平滑度の高いガラス板と、同じくやすり加工されたスティックの組み合わせで、リード裏をフラットに削ったり、表側のハート部やサイドを削り、リードの鳴りを調整できます。近年人気なリード調整器具は、Reed Geek(リードギーク)でしょうか。
いろいろなタイプのリードギークが販売されていますが、いずれも小さな角棒状の金属に、精密な刃物が複数加工されており、あらゆる形態のリード加工が可能です。
専用の道具が無くてもリード調整は可能です。昔は割れたガラスの角や、トクサ(葦の一種、ざらざらした茎の表面がやすり状になっています)、紙やすりなどでも調整できます。基本どころは、裏面の平滑性(平らであること)、ハート部の厚みを変えてコシの調整、サイドのバランスを整えて振動の均一性を調整、等でしょうか。リードカッターでリードの先端をカットし、新しいリードとして細かく調整する、なんてことをするプレーヤーも多いようです。
リードの調整方法は、専用の道具の使用説明書や、ネットの記事に沢山記されています。自分なりのノウハウを作りこんでいる「リード調整マニア」も少なくないようです。
そうそう、冒頭の東京藝術大学の動画で、吉井准教授はもうひとつ大事なことを言ってくれています。「リードの調整が40%ほど終わったところで、私はこれを1、2日置いておきます。木も生き物なので、急に削られてびっくりしちゃうんですよ。だから日にちを置いて、落ち着いたころにまた調整を始めるんです」、と。いやあ、目からうろこです。そうなんですね。
サックス奏者の皆さん。大事なリードを、もっと優しく、愛情をもって使いましょう。必ずリードは、その愛情に応えてくれると思います。
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