Henri Selmer Paris(アンリ・セルメール・パリ、以下セルマー)社は、パリ近郊のMantes-la-Ville(マント・ラ・ヴィル)に拠点を置く管楽器メーカーです。1885年に設立され、特にサックス、クラリネット、トランペットが有名です。
なあんて、サックス奏者なら誰でも知っている「あの」セルマーですが、なんとギターも作っていました。同社の公式YouTubeチャンネルで、「創立 140 周年を記念して、私たちの歩みを象徴する楽器やミュージシャンを紹介し、私たち歴史を改めて振り返ってみたいと思います」と、セルマー・ギターの動画を公開しています。
セルマー・ギターとは何か、を紹介しましょう。
1885年の創業時、セルマーは主にクラリネットのリードとマウスピースの製作をおこなっていました。そして1898年、セルマーはパリに店と修理店を開き、クラリネットの生産を開始します。
サックスの製造は1922年に「モデル22」から始まりました。1930年に「シガーカッター」、1936年に「バランス・アクション」、そして1954年のマークVIと、次々とサックスの人気モデルを発表していきます。
そんななか、1932年、セルマーはイタリアのギタリストであり弦楽器製作家のマリオ・マカフェリとパートナーを組み、マカフェリの独創的なデザインに基づいたアコースティックギターの製作を開始しました。マカフェリとセルマーの協力関係は1934年には終了しましたが、セルマーは1952年までこのギターを作り続けます。
初期の広告がセルマーという社名ではなくデザイナーであるマカフェリを強調したため、このギターはしばしばセルマー・マカフェリまたは単にマカフェリと呼ばれます。セルマー製マカフェリギターは、史上最も偉大なギタリストの一人であり、ジャズギターの始祖とも呼ばれる、ジャンゴ・ラインハルトのお気に入りの楽器として知られている、今でも有名なアコースティックギターです。
ジャンゴ・ラインハルトは1930年代半ばから、特注のセルマー・マカフェリのギターを使用していました。彼は左手の薬指と小指がほとんど動かないという障害を持っており、それゆえに開発した彼独自の演奏スタイルを持ち、シンプルな和音と力強いメロディアプローチを駆使する魅力的なサウンドで、多くの聴衆を魅了しました。
セルマー・ギターは典型的なスチール弦の大型のアコースティックギターで、角張ったカッタウェイにD字型または縦長の楕円形のサウンドホールを持っています。ジャンゴが使用したセルマー・ギターは、小さな縦長楕円のサウンドホールと14フレットジョイントの長いネックが特徴的な、シリアル503番のセルマー・ギターのジャズモデルでした。
彼が使用していたジャズモデルは、セルマー・ギターの代表モデルとなりましたが、1952年には業績不振でセルマーはギター部門を閉鎖します。1932年からのわずか20年で製作されたセルマー・ギターは1,000本余りとわずかでしたが、セルマーの撤退後、世界中の職人たちによってセルマー・ギターのレプリカが製作されるようになり、この偉大なギターは今もレプリカとして現代に作られ続けています。
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