「キータッチ」とは、キーを操作する際の指先で感じる感覚のことです。楽器の多くは指で演奏操作するので、指の動きを楽器に伝える「キー」の感覚(タッチ)は、楽器に演奏者の意思を伝えるうえで非常に重要です。
ピアノのキータッチは、押したときの抵抗感、キーとハンマーの連動スピード、指を離したときの戻るスピードなどです。電子キーボード楽器では、如何にアコースティックピアノのキータッチを再現しているかが重要だったりします。トランペットのピストンのバネの感覚も、キータッチのひとつでしょう。
サックス等の木管楽器にもキーは数多く存在しますので、自分の楽器のキータッチは、演奏者にとってとても気になる部分です。サックスのキータッチについて掘り下げてみましょう。
キータッチに関して、サックスはちょっと特殊な木管楽器です。先祖であるクラリネットのキー構成では、いくつかのトーンホールは、奏者の指で塞ぐようになっています。ダブルリード楽器のオーボエしかり、あの大きいファゴットですら、指で塞ぐトーンホールが存在します。上級者用フルートのリングキー仕様も指で塞ぎます。
しかしサックスには、指で塞ぐトーンホールがありません。サックスのすべてのトーンホールは、キーと連動したパッドが塞ぎます。ということは、キーの形状や構造、調整だけで、楽器の操作感が決定される、ということです。
サックス全体のキーの設計と配列は、手や身体の大小にかかわらず、広いバリエーションの演奏者に対応できるよう考えられています。クラリネットやオーボエ、リングキーフルートでは、「手が苦しいけどしょうがない」となっている部分が、サックスではとても少ないのです。
だからこそサックス奏者は、「キータッチ」への意識が薄い訳ですが、サックスゆえのキータッチ調整法が多数存在します。
サックスのメカニズムは、指→キー→パッドへの連係動作が大きく、かつトーンホールが極端に大きいため、演奏者の指は大きな動きが必要です。細かい仕事が得意な「人間の指」ですが、ある程度以上大きな動きはちょっと苦手です。五本指の先端をテーブルに付けて、一本ずつ指を上げると、薬指だけ上がり難いです。「手指の動きの特性」は人によっても異なりますし、事故や病気、年齢の影響で生じる制限もあります。
このような指操作に対し、サックスでは色々な調整でキータッチ変え、指の動きをより快適に、高速にすることが出来る場合があります。以下の例はあくまで「効果がある場合がある」としか言えませんが…。
ストラップの長さを変えると、腕と手首の角度が変わり、指が動き易くなります。サムフックの角度を変えるとキー列に対する手のひらの角度が変わり、指の横方向の動きがスムースになります。指貝の掘り込みの深さや角度を変えると、指の先端の感覚が変わり、指の折り曲げが早くなります。
トーンホールとパッドの間隔を狭くする(結構やっている人は多いです)と、速いフレーズに対応できるようになりますが、攻め過ぎるとピッチが上がります。キーのバネ圧の調整で、音の切れ味が変わります。Cキーのパッド側におもりを着けると、右手小指の負担を少なく出来ます、等など、あくまでも「効果がある場合があるかも」です。
リペアマンと相談して、自分のベストのキータッチを探してみる、というのは如何でしょう?
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