リードはサックス吹きにとって、欠かすことのできない部品であり製品です。そしてそれを収納する「リードケース」も必須のアクセサリーです。
樹脂リードの進歩で多少影が薄くなった感もありますが、まだまだサックス奏者の荷物の中には、必ず一つ以上入っているのがリードケースでしょう。リードケースの進化や機能について迫ってみましょう。
かつての一般的なリードケースは、化粧コンパクト型に大きく開く、薄い長方形の木箱の中にガラス板が敷かれており、その上にリードを並べる、というものがほとんどでした。外装は黒い紙やレザーシートで保護されているものが多かったようです。
それが時代とともにプラスチック化され、最近ではビビッドな色彩のバリエーションの製品や、人気のキャラクターやデザインが印刷されたものも多くなりました。そして中のリードを置くガラス板も変わってきました。
「板」が普通の時代には、リードはふた側のクッションで固定したり、せいぜい横に張り渡されたゴムでリードを挟む程度でしたが、リードメーカーが製品梱包時に、紙製や樹脂製のリードホルダーで、リードを1枚1枚保護するようになって来ると、リードケースの様相も変わってきます。「リードの先端を保護し、かつ挟み込んで先端の波打ちを防ぐ」というリードへの意識が高まり、そのニーズに応えるリードケースが出回って来ました。
現在のリードケースの多くのものが、リードを挟み込むリードホルダー機能を持った内部構造を持っています。リード装着部の表裏に複数のリードホルダーを並べ、薄いリードケース内で効率良く、多くのリードを収納できるようになっているものも多いようです。
このように、「リードの収納」という機能面で進化してきたリードケースは、「リードの品質管理」というもうひとつの機能面でも進化しています。
今は亡きジャズ・テナーサックスの巨匠、マイケル・ブレッカーは、リードを水の入ったコップに入れ、リードをウェット(湿った)状態で保管することで有名でした。彼が始めた訳では無いようですが、その方法は多くのサックス奏者に支持され、やがてRICO社がマイケルの協力を受けて(と言われています)、「RICOリードバイタライザー」を製品化します。
プラスチック製のリードケース内部に、両面のリードホルダーを有するところまでは通常のリードケースとほぼ同様ですが、ケースの気密性を上げて外気の影響を少なくし、ケース内部に「防カビ保湿剤」をセットするスペースを設けました。そして3種類の保湿剤を設定し、即演奏に使える84%、通常保管用の73%、長期保存用の58%と目的別に分類したのです。この湿度管理はなんと葉巻の湿度管理と類似しており、葉巻の保湿剤もバイタライザーに使えそうだ、と話題になったこともあります。
また同様にリードの老舗、バンドレンも保湿リードケースを発売しています。「ハイグロケース(保湿ケース)HC200」はリード収納内部の湿度をデジタル表示でき、「ハイグロリードケースHRC10/HRC20」は、ケース内にあるスポンジに含ませた水分でケース内のリードを湿らせ、かつ換気口が余分な水分を逃がします。装着されている湿度測定ディスクにより、色で内部の湿度を視認できます。リードケースの進歩、恐るべし、ですね。
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