サックスの管体内にランプを差し込み、その光の漏れ具合でトーンホールとパッドの隙間、密着度を確認するリペア用具、「リークライト」は、サックス等の木管楽器の修理・整備には欠かせないツールです。これを使って、サックスのパッドのレベル合わせや、キイバランス調整等をチェックしていきます。極々細い隙間から漏れている光を確認し、そこからの空気の漏れを塞いでいきます。
サックスの登場は1800年代中頃、電球の普及は1900年代中頃ですから、最初からとは言えませんが、かなり早くには「必須の修理道具」になっていたことでしょう。
ほんの10年ほど前までは、リークライトは100Vの豆電球を、長いコードにつなげ、それをサックスの中に差し込む、というものが主流でした。ところが近年のLED(Light Emitting Diodeの頭文字。 文字通り「光る半導体」)の発展で、リークライトは劇的に変化しました。
LED照明は登場当初から、消費電力も少なく、低い電圧で高い光度を得られる質の高い照明でした。しかし専用のインバーターが必要だったり、LED電球自身も高価でした。しかし近年、画期的なLED照明が登場しました。それが「LEDテープライト」です。
テレビのDIY番組で、某タレントが多用している、安価でかつ長さも簡単に調整でき、消費電力も低く、動作も安全なテープ状の高輝度LEDです。LEDテープライトは、まるでリークライトのために作られたのではないかと思えるほど、リークライトにドンピシャのライトです。サックスのリペアマンばかりでなく、多くのサックス奏者が、自分のサックスの保守点検のために、ネット通販で買ったLEDテープライトをリークライトとして使用しています。
自分のサックスのパッドの密着度を目視できることは、サックスの状態を知ることで非常に有用です。
プロの道具というものは常に進化します。近年ではリークライトに変わる道具、「気密測定器」がサックスのパッドとトーンホールの密着度を測る道具に使用されています。
サックスの管体を密閉し、空気を送り込んで加圧し、その限界圧力を緻密に測定することで、パッドの密着度どころか、パッドの特性や機能低下まで判断できるそうです。
リークライトでパッドの隙間を見つけても、すぐ「自分で修理」は危険です。完全に調整されたサックスでも、演奏をし続けることによって段々調整が崩れていき、パッドとトーンホールの間に隙間が生じるようになりますが、その原因は複雑で、素人に修理可能なものとそうでないものがあります。
メカニズムの連動によって動くキーのパッドの隙間調整は、知識がない場合は手を出さないほうが無難です。治せそうな隙間修理も、無理な力を加えないことが重要です。リークライトを購入しても、自分のサックスの不調の「原因を探るための使用」に留め、問題の解決はプロのリペアマンに依頼するのが得策でしょう。
ただパッドの気密性のメンテナンス作業の一部は、少し学習し、ある程度経験を積んだサックス奏者なら、決して出来ないというほどハードルの高い作業ではない、という人もいるようです。自己責任でご検討ください。
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