ジャズアルトサックスの巨人、ポール・デスモンドが愛用したマウスピース、M.C. Gregory(エムシー・グレゴリー)の再現を謳った「Model 46」がWood Stoneから発売されたり、ブリルハートの復刻版がConn-Selmerからリリースされたりと、ヴィンテージの銘品が注目されている昨今のマウスピース界隈です。
そんな今、フォースターやマスターリンクなど、ヴィンテージから最新モデルまで、ジャズサックス奏者に絶大な支持を受けている、オットーリンク・マウスピースの歴史を振り返ってみましょう。
オットーリンク・マウスピースの歴史は、1922年、管楽器リペア職人、オットー・リンク(Otto Link)とフランク・メイヤー(Frank Meyer)がマンハッタンの8番街にリペアショップを構えた時から始まります。
1930年にはブランド初のマウスピース、マスターリンク(Master Link)の発売を開始し、工場をニューヨーク郊外のニューポートに移転します。マスターリンクは、低く平らなバッフルと大きくえぐられたチェンバー、丸みを帯びた内壁、非常に小さなティップ、長くて深いフェイシングが特徴のメタルマウスピースで、ダークかつ響きの抑えられたサウンドで、当時のジャズ界で大人気となりました。コールマン・ホーキンスやベン・ウェブスター等、ジャズテナー界のスター達が使用したことで有名です。
そして1935年には、あの名器、フォースター(Four ****)が発売されます。このマウスピース名前の由来は、当時のサックス界の 4 人の人気スター、チャールズ・ストリックファーデン、ヘンリー・ウェイド、パット・デイビス、ロス・ゴーマンにちなんで名付けられたそうです。内部構造は、マスターリンクモデルとほぼ同じでが、フォースターモデルから、垂直一本締めタイプの、オットーリンク・マウスピースのトレードマークとも言える現在の形のリガチャーが採用されました。
1936 年には、オットーリンクの最初のハードラバー・マウスピースの生産が開始されます。オットーリンクの低価格ラインとして販売され、大きなチェンバーと、低いバッフルが特徴でした。シリアル番号とオープニングはテーブルにマークされており、チェーンリンク柄のバンドがボディの前部を囲んでいます。このモデルはマウスピース上部に斜めに「Otto Link」と書かれており、「Slant Signature NY」(スラント・シグネチャー・ニューヨーク)と呼ばれています。
1940年、現在のモデルの原型とも言える、「TONE MASTER(トーンマスター)」が発売されます。リガチャーを中央に置き易くするために、マウスピース上部にお馴染みの縦に走る突起が付きました。リガチャーのリードプレートは薄くなり、リードがより自由に振動できるようになりました。
その後も次々と人気のマウスピースを発表していきますが、1955年にオリジナルの会社は売却され、フロリダに移転します。
そして1972年からオットーリンク・マウスピースは、インディアナ州エルクハートのJJバビット社(JJ Babbitt) によって製造販売されており、近年にはヴィンテージモデルやSTMフロリダモデルなどの復刻版も製造されています。同社はメイヤー(Meyer)ブランドのマウスピースも製造販売しています。
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