サックスを吹いた後は、管体とマウスピースにクリーニングスワブを通し、内部に溜まった水分を拭き取り除きます。これはサックス奏者が必ずおこなう、ルーティンワークです。ほとんどスワブを通さない金管楽器と比べると、ちょっと面倒臭い作業ですが、サックスの場合、管体内に水分を残すと、カビや汚れ固着の原因になりかねないので、必ずおこなわなければならないお手入れです。
長い紐の片側に布切れが付いており、もう片方の先端にはおもり。おもりの重さを利用してサックス管体内にベル側から紐を通し、ベルの反対側から抜いた紐を引っ張って、管体の内壁を布切れで拭く。これがスワブの基本的な仕組みです。
ちょっと前までは、布切れはガーゼや薄いハンカチのような生地で作られたものが市販品の主流で、手先の器用なサックス奏者は、ハンカチと布紐、釣り用のおもり等を使って自作していました。ところが最近では、かなりハイテクな素材を使った、様々なデザインのスワブが登場しています。
近年のクリーニングスワブの「布切れ」の主流は、「超吸水加工マイクロファイバー素材」です。形も四角い布ではなく、楕円状やティアードロップ型、三角形、管体内部にくまなく接触する、もこもこのモール状のものもあります。
ユニークなサックスで人気のある、Cannonball社のドラゴンスワブは、紐に間隔を開けて大きさの違う布を10枚以上取り付け、それがクリスマスツリーのように円錐状になり、水分をこそぎ取る構造です。ネックと管体本体用のスワブはかなり前から別々に用意されていましたが、最近ではマウスピース専用のスワブも販売されているようです。
スワブを使ったサックスの掃除のポイントは、とにもかくにも「詰まらせない」ことです。
サックスの本体管体(二番管)のハイF♯キーで開閉するトーンホールの近くに、第二オクターブキーの穴があります。この穴から主管の内側に細いパイプが入り込んでいます。このパイプにスワブを絡ませないことが、スワブ通しのポイントです。このパイプにスワブが絡んで抜けなくなった場合を考え、多くのスワブには布切れの先に「逆抜き紐」が付いています。
スワブでサックスを掃除するときは、サックスは膝の上かスタンドに立てて、両手でスワブを扱えるようにするのが安全です。
ベルから紐の先端を入れ、ネック側から紐を抜いたら、吸水の布がオクターブパイプに絡まない程度の位置で、逆抜き紐を使って布切れをゆっくり抜き差しします。イメージ的に管体内部に満遍なく布が触れ、水分を拭き取るように紐を操作してください。スワブを何回も通す方がいますが、引っ掛かりの危険度を考えると、ゆっくり一回のほうが良いでしょう。程よく抜き差しを繰り返したら、オクターブパイプに布が詰まらぬよう、ゆっくりと上に引き抜きます。スワブを通し終わったら、給水ペーパーでパッドの水分を拭き取りましょう。
ネックのスワブも同様のやり方ですが、ネックの場合は、後ろから指で布を管体内側に押し付けると良いです。マウスピースのスワブ通しは、シャンク側から先端方向に一方通行が原則です。逆方向に通すと、ティップやウインドウ部のサイドレールやテーブルのエッジを傷つけてしまう場合がありますので、注意してください。
水分で湿ったスワブは、サックスケース内に放置することはせず、帰宅したらケースの外で乾かすのがお勧めです。
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