フルート持ち替え

フルートの黒ずみ

木管楽器であるフルートの素材は、木(主にグラナディラ)、洋白(銅、ニッケル、亜鉛の合金)、銀(主に925銀:銀含有率92.5%の合金、100%銀は柔らか過ぎて楽器やアクセサリーに不向き)、そして金やプラチナがあります。
現在一般に流通しているほとんどのフルートは、初心者向けが洋白製、上級者向けが銀製です。頭部管、主管とも925銀で出来ている、いわゆる「総銀」フルートは、フルート独特の重厚で深く、柔らかく、かつ明るい音色が特徴です。
サックス奏者の持ち替えフルートであっても、「いつかは総銀」と誰もが思っている、フルートの主流素材です。とはいえこの総銀フルート、ちょっと手入れをサボるとすぐ黒ずみが出てしまいます。掃除嫌いの多いサックス奏者の中には、まっ茶色のフルートを持ち替えで吹いているプロも、決して珍しいことではありません。

銀製フルートが黒ずんでしまう、主な原因のひとつは「硫化」です。銀は空気中で酸化され難く、錆び難い金属ですが、空気中の硫化水素と反応して、硫化銀という物質に変化し黒くなります。「温泉場でもあるまいし、空気に硫黄成分があるの?」と訝しがる(いぶかしがる)方もいるでしょうが、都会の空気には自動車の排気ガスが含む硫黄酸化物や、工場が排出する化石燃料に含まれる硫黄分が沢山含まれています。
山奥の空気の澄んだ場所でのバンドの合宿等で、「あれ?フルートが全然黒くならない」、なんて経験をすることも少なくありません。さらに、皮脂や汗に含まれる硫黄成分も黒ずみの原因になります。フルートを触って演奏した後、そのまま放置しておくと、付着した皮脂や汗で硫化して黒ずみが生じてしまいます。

シルバーアクセサリー等の場合は、重曹水溶液にアルミ箔を沈め、そこに丸ごと銀製品を沈めて「硫化銀の還元反応」で黒ずみを取る、という荒業が可能ですが、フルートにはタンポやフェルト等、濡らしたくないパーツが多いので使い難い方法です。
フルートの黒ずみ除去の一般的な方法は、シルバーポリッシュによる清掃です。ポリッシングガーゼやクロスに染み込ませて磨く液状のポリッシュや、クロスに研磨剤を浸み込ませたシルバーポリッシュクロス等があります。ポリッシュで楽器全体を吹くことで、化学反応と微細研磨剤によって、銀本来の輝きと艶を取り戻すことが出来ます。研磨剤が含まれていますので、あまり強くゴシゴシ擦らないのがコツです。

フルートの銀の黒ずみを取る究極の技は、「黒ずみを作らない」のがベストでしょう。Cガード等の「銀製楽器変色防止シート」は、楽器ケースに入れておくだけで、楽器と空気中の成分との「硫化」反応を抑え、変色を防ぐことが出来ます。シートの効果は数年維持されるので、コストパフォーマンスも抜群です。
また楽器を触った後には、しっかりと手の脂や汗を拭きとっておくことも重要です。あなたの大切な銀製フルートを、いつもピカピカに輝かせていてください。

 

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