体温を超えるほどの猛暑が続いた夏も終わり、朝晩は「寒いかな」なんて、秋らしくなって来ました。季節の変わり目は身体に負担がかかり、体調を崩しがちです。
我々の愛するサックスの吹き方にも、季節の変わり目に配慮した「作戦」が必要です。季節の変わり目こその、サックスのウォーミングアップについてお話ししましょう。
夏から秋、冬に変わるとき、気温は大きく下がります。ご存じのように、空気の温度によって、音の伝搬の速度は変わります。そして波長が変わります。結果、暑ければ楽器のピッチは上がり気味になり、寒ければ下がり気味になります。ですので暑い場所ではマウスピースは抜き気味になり、寒いときには入れ気味にしないと、チューニングが合いません。「そんなの分かってるよ」、と言われそうですが、話はもう少し先があります。
季節の変わり目に考慮すべきなのは、「楽器の温度変化のパターンの変化」です。楽器をケースから取り出しセットし、ウォーミングアップをし、チューニングをして練習開始。この流れを同じ空間でしている分には、何も配慮はいりません。しかし、控室でウォーミングアップをし、本番のステージは野外、のような場合は、夏はクーラーが効いた控室で灼熱のステージ、冬は暖房の効いた控室から寒いステージとなります。
楽器の温度変化のパターンが変化し、上手く奏者がそれに順応しないと、いわゆる「チューニングイップス」になってしまいます。チューニングしたのに周りと合わない、吹いているとピッチが変わる、曲中でハモらなくなる等、自分の楽器のチューニングの状態が、全く把握出来なくなってしまいます。
管楽器は演奏する際に、奏者の息によっても内部の温度が変化します。周りの気温に加えて、この楽器内部の温度変化もチューニングに影響します。演奏状態に至るまで、自分の楽器がどのような温度変化をし、どのような「工夫」をするかが、季節の変わり目のウォーミングアップには必要となります。一般解はありませんので、自分で作戦を立ててください。
気温の変化は、奏者の身体にも影響を与えます。寒さは筋肉を固くし、血流を阻害します。寒いと思う環境で楽器を演奏する際には、自分のどこに力が入るのか、どこに負担をかけるのかを意識しておく必要があります。
管楽器をいきんで吹くと、血圧が急上昇する、と思っている方が多いようですが、呼吸だけを考えると、正しく腹式呼吸をしていれば、血圧に悪影響は無いようです。むしろ管楽器吹奏のための「大きな息」は、血圧を下げる効果があるようです。ただし「演奏」という時間の中で、身体への負荷はどうしても変化が生じるので、それによる血圧の上下が伴います。
季節の変わり目のウォーミングアップで注意すべきは血圧そのものではなく、首、肩、背、腰、指の「緊張」です。冷たく固まった筋肉に不用意に力が入ると、筋肉への負担や神経系の痙攣を起こし易くなります。楽器のウォーミングアップの前に、身体のウォーミングアップも重要、ということですね。
季節の変わり目には、楽器や自分の身体への気遣いを、特に注意しましょう、ということです。
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