2019年にフランスのViga Music Tools社がリリースした木管楽器専用マイク、「IntraMic(イントラマイク)」は、それまでのネック埋め込み式マイクやクリップ式等の管楽器専用マイクに比べ、楽器本体を全く加工することなく装着でき、木管楽器のサウンドをピュアに信号化できる画期的なマイクです。
プロ奏者の間で高い評価を得て、世界中にユーザーが広まっているIntraMicですが、サックス教育者Jay Metcalf(ジェイ・メトカーフ)によるサックス奏者向けYouTubeチャンネル、「Better Sax」で最近紹介され、にわかに注目が高まっているようです。そんな「世界初の木管楽器内蔵マイク」、IntraMicを紹介しましょう。
サックスの専用マイクは、故マイケル・ブレッカーが多用していたことで有名な、ネックに穴を開けて装着するタイプのマイクや、近年かなりのサックス奏者が使用している、ベルクリップ型のマイクがありますが、前者はネックを改造しなければならないこと、また後者は周りの音もかなり拾ってしまうことなど、それぞれに問題を持っています。
IntraMicでは、ネックとマウスピースの間に平たい極薄フラットケーブルを這わせ、超小型の特殊マイクユニットを管の中に入れてしまいます。マウスピースの付け根から出てきたフラットケーブルは、ネックのオクターブホール近傍に装着する「カプラー」に接続され、普通の太さのケーブルに変換されます。
ケーブルはメインシャフトに沿って配線され、ベルステーに取り付けた、バッテリー内蔵の「プリアンプ」に接続されます。この先は通常の音響ケーブルで、有線でPA音響システムにつないだり、サックスに着けたワイヤレスシステムに接続したりすることもできます。
プリアンプでは、出力音量や音質を調整することができ、サックス奏者がマイク音量を制御できるという、画期的な演奏状態が実現できます。管内の空気振動を直接信号化できるため、大音量のステージでもハウリングを起こさず、周りの音との混在もなく、ピュアなサックスのサウンドが得られます。
IntraMicの「凄さ」は、Vega Music Tools社のYouTubeチャンネルで公開されている動画、「[Demo]01 Sax Tenor// intraMic versus Standard Microphones」で確かめることができます。この動画では、テナーサックスの演奏を、コンデンサーマイク、ダイナミックマイク、クリップマイク、そしてIntraMicで録音した場合の違いを紹介しています。
マイクによってこんなにサウンドが変わるのかと驚くと同時に、IntraMicを通したサウンドのクリアさ加減に驚愕します。またキーアクションの「ガチャガチャ音」をどれだけ拾うかのテストでは、IntraMicによる静寂さは秀逸です。そして周りの音をどこまで拾うかのデモやフィードバックのテストでは、「いやあ、これは凄いや。脱帽です」となります。
日本では、個性派ジャズテナー奏者の竹内直や、多彩なジャンルで活躍するサックス奏者兼コンポーザー、荒木真らがIntraMicを使用しています。ピュアなサックスのサウンドを、周りの音に左右されること無く信号化できるところが、選択の理由のようです。
IntraMicの日本代理店はまだ無いようですが、直販サイトでカプラー無しモデルが467ユーロ(約76,000円)、カプラー付きモデルが542ユーロ(約88,000円)で購入することができます。発売以来システム内容は更新、改良が続けられており、クラリネット用等、多彩なユニットのバリエーションがあります。
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