サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なアルトサックスで約600点の部品から構成されています。その膨大な数の部品が、ひとつひとつ各々の役割を果たし、私たちサックス奏者の演奏をサポートしてくれています。また数多くのサックス関連アクセサリーも販売されています。サックスやアクセサリーを細かく解剖し、それぞれの部品の役割を探ってみましょう。今回のテーマは「ポリッシュ」です。
サックスのお手入れに、ポリッシュ液やポリッシュクロスを使っている方は多いと思います。楽器を買ったときに、楽器のセットに付属していたり、楽器屋さんのサービスで付けてくれる事も良くあります。ただ、「付いていたから使っている」とか「なんか、きれいになるから使っている」というような、「ポリッシュとは何ぞや」、を知らずに使っている方も少なくないと思います。
ポリッシュには、液状のもの、クリーム状のもの、そして特別な性能を有した布状のポリッシングクロス等がありますが、基本としてはヤマハのラッカーポリッシュ、メタルポリッシュ、シルバーポリッシュの「3兄弟」、そして数社が出しているクリーム状のシルバークリーナー、またマウスピース等に使う、消臭・殺菌スプレーなどもあります。
各社、各製品ごとに丁寧な使用目的と使用方法が説明されていますが、成分内容はさすがに公表されていません。通常使用で大切な楽器に害をなすような製品はありませんが、やはり使用に関しては注意が必要です。楽器の状態に繊細なサックス奏者の中には、「ポリッシュは心配だから使わない」と断言するひとも少なくありません。ちょっとした注意点を確認してみましょう。
「ラッカーポリッシュ」はラッカーフィニッシュの楽器に使います。汚れを除去し、艶のある光沢を生み出します。ポリッシュ液全般に言える注意ですが、タンポやネジ部には付着させないほうが良いでしょう。
「メタルポリッシュ」はニッケルプレートや洋白、アンラッカーの楽器に使用します。非常に細かい研磨剤が含まれており、ゴールドプレートやシルバープレートの楽器には不向きです。
「シルバーポリッシュ」は925銀の楽器や銀メッキ仕上げの楽器専用のポリッシュです。フルートやシルバープレートの楽器に使用します。シルバー用のコンパウンド(研磨剤)が含まれており、銀特有の茶色い硫化銀のシミを除去します。クリーム状の「シルバークリーナー」はシルバーポリッシュ同様の、研磨・表面保護機能を有しますが、楽器表面に付着し易い粘液なので、使い勝手が良いと好む人も多いようです。
「シルバープロテクター」は研磨機能の無い、シルバーの表面にコーティングで膜を作る、硫化銀のシミの発生を防止するためのポリッシュです。研磨剤の入ったポリッシュは、極端な比喩をすると「楽器表面にヤスリを掛けて磨いている」ようなものとも言えます。力を入れて擦らない、高い頻度で磨かない、等の配慮が必要です。
サックスのサビを、金属磨き材の「ピカール」等を使用して磨き取る方が多いようですが、表面処理のラッカーまで磨き取ってしまうので、使い方には注意が必要です。楽器の「ポリッシュ(磨き)」は、くれぐれも慎重におこないましょう。
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