近年演奏のステージや練習場所で、楽器演奏者の前の譜面台には、iPad等のタブレット端末が置かれている場合が少なくありません。紙の譜面の代わりに、デジタル楽譜を画面に表示させ、それを読みながら演奏する奏者達です。
重い譜面の束を持ち歩くことから解放され、暗い場所でもライト無しで鮮明に表示され、譜めくりまでやってくれるタブレットの譜面は、一度使ったら病みつきになります。今回は流行のデジタル譜面について掘り下げてみましょう。
表示面が広い大型のタブレット端末が普及し、それに伴って沢山の楽譜ビューアーアプリが登場しました。iPad OS端末でもAndroid端末でも、とても使い易いビューアーが勢ぞろいしています。
表情や頭のアクションで譜めくりが出来、多様な書き込みが出来る「Piascore(ピアスコア)」、楽譜の整理や検索が簡単に出来、高度な書き込み機能で、様々な注釈ツールが使え、MacやiPhoneなど、デバイス間で楽譜を共有できる「forScore(フォースコア)」、iPadとAndroidの両方に対応し、自分の持っている紙の楽譜を電子楽譜に出来、楽譜に手書きの注釈やテキストを書き込める「MobileSheets(モバイルシーツ)」などがユーザーが多いようですが、単純にpdf化した譜面データを表示させる、pdfビューアーを使用している奏者も多いようです。
A4サイズ見開き電子ペーパー型楽譜専用端末、「GVIDO(グイド)」という製品もありましたが、タブレットとアプリの進化に押され、2022年3月で販売終了してしまいました。専用端末で定価18万円は普及し難かったようです。
電子楽譜のほとんどはpdfファイル化された譜面を表示させます。アプリによっては、膨大な量の電子譜面を販売するデータベースを併設している場合もありますが、多くの奏者は手持ちの紙の譜面を自分でpdf化する場合が多いでしょう。
ちょっと前までは、紙のデータ化にはスキャナーが必須でした。シートを巻き込んで読み込むシートスキャナー、ガラス面に原稿を置くフラットベッドスキャナーなど、高精度なスキャナーで高解像度で譜面を読み取る必要がありました。
しかし今では「スキャナー」と言えばスマホのカメラです。スキャナーアプリを起動してカメラで撮影すれば、カメラと原稿の角度による台形歪みを補正したり、直線をギザギザにすることなく画像処理したり、紙の地色と記載内容のコントラストを適正化したりして、高解像度で読み易い譜面画像をデータ化することが出来ます。いまやIT技術は、譜面の電子化に最高の環境を作ってくれています。
このように電子譜面の普及度は、もの凄いスピードで伸びています。とはいえ注意すべき点も無い訳ではありません。
タブレット譜面は屋内使用ではほとんど問題はないものの、屋外、特に炎天下の野外ステージでは注意が必要です。タブレットの温度が上がり過ぎて、CPUの熱暴走でシステムがダウンする場合があります。
また明るすぎる環境では、タブレットの表面が反射で見えにくかったり、バックライトがまったく機能しなかったりする場合もあります。野外ステージでは、昔ながらの紙の譜面と洗濯ばさみ、が良いのかもしれません。
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