老舗木管楽器メーカー、ビュッフェ・クランポン社(BUFFET CRAMPON)から本年7月、クラリネット用デジタルミュート”ClariMate”(クラリメイト)なる製品が発表されました。
「おいおい、クラリネット用かよ」、と言われるかもしれませんが、ビッグバンドのサックス奏者はクラリネットへの持ち替えがありますし、この製品には非常に斬新な技術が採用されており、「いずれサックスにも応用されるのではないか」、とも推察できるので、あえて紹介させていただきます。
「ClariMate」の発表サイトには、「クラリネットをデジタル管楽器に変えるマルチデバイス“ClariMate”は、ご自身のクラリネットをデジタル管楽器に変える画期的な製品です。“ClariMate”を楽器に取り付けヘッドフォンを装着すれば、いつでも楽器を演奏することができます。
デジタルミュートとして機能するため、外部には一切音が漏れる心配がありません。ヘッドフォンから聞こえるのは、独自のシンセサイザークラリネットの音です。また、MIDIコントローラー機能を持ち、楽譜制作ソフトウェアや楽曲制作ソフトウェアとの連携が可能です。
“ClariMate”は、クラリネットを通したMusic Lifeを大きく拡げる製品です」、とあります。クラリネットのマウスピースとバレル(中間の樽状管)の間に本体を接続し、マウスピースには専用リードをセットします。専用リードがアンブシャと息の強さを検知し、本体から管体内に延びたチューブが奏者の運指を検知します。
通常のクラリネットの吹奏感とほぼ同じ感覚で演奏することが出来ますが、楽器からはまったく音が出ず、奏者が装着したヘッドフォンにはデジタル合成されたシンセサイザークラリネットの音がフィードバックされます。Bluetoothでスマートデバイスに接続し、音源に合わせて演奏することも出来ます。またMIDIコントローラーの機能も有しており、外部シンセサイザーの音源をコントロールすることも出来ます。
もちろんどこのメーカーのクラリネットにも装着することが出来、対象はB♭またはAクラリネットです。機能はもうほとんどデジタルサックスです。
さて注目の“ClariMate”の仕組みです。すべてのデジタルサックス、デジタルホーンにはスイッチが必須です。
AKAIのEWIのキーには静電接触スイッチ、ヤマハのYDSシリーズにはキーにメカスイッチが連動しています。運指でスイッチを操作することで、運指情報をデジタル回路に伝えているのですが、“ClariMate”にはそんなスイッチがありません。“ClariMate”本体が管体内部にブーンという小さな連続音を発生させており、管体内に挿入したセンサーチューブが、運指によるその音の微細な変化を読み取ります。
クラリネットはセッティングや機種により微妙に管の長さが変わりますので、それに対応するため運指と対象音程を校正する、「トレーニングセット」というキャリブレーションが必要です。これによって運指と音程の完璧な合致が実現します。また専用のアクティブリードには、EWIのようなピッチベントセンサーも付いています。ね、まるでデジタルサックスでしょ。ただしあくまで「静音環境下」での使用を想定しているので、アンプへの接続等の大音量環境では、センサーの誤動作の可能性があるようです。
管体の厚いクラリネット、また練習用ミュートという目的に特化した技術ですが、同類木管楽器のサックスにも、応用が利くのではないかと考えても、あながち間違いではないのでは、と思います。
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