円安が留まることを知りません。ついこの間、34年ぶりという155円/ドルあたりにまで値を下げました。円が下がれば、ほとんどの輸入品が値上がりします。この煽りで、リードの値上がりも続いています。
サックス奏者の必須消耗品であるリードは、それでなくても我々のお財布を脅かす頭の痛い存在なのに、「値上がり続き」と来たら、もう頭が真っ白です。
人工リードも値上がりしている今、出費を抑えるには、「ダメリードを調整して、箱すべてを使えるリードにする」しかありません。こんな今こそ、リード調整の方法をおさらいしましょう。
ダメリードを「鳴る」リードにするのは、やはり至難の業です。相当な経験と技術を要します。ならばせめて、「鳴らないリード」を「普通のリード」にするのを目指すのが得策です。リードはどうあるべきか、を頭に入れ、不具合を無くしていくうちに、リードが良くなってくるはずです。そんな謙虚なアプローチが、「切実なリード調整のコツ」だと思います。
じゃあ、リードカッターでまずリードの先端を切り揃えましょう。ではないのです。リードの先端はマウスピースのティップに高速で接触を繰り返し、振動します。ならばマウスピースのティップラインとリードの先端のカーブは揃っているほうが良い、と思いがちですが、実はちょっと違います。
一瞬マウスピースに蓋をすれば良いだけなので、ラインが必ずしも一致しなくても、ちゃんと振動を繰り返します。お鍋の蓋が、たとえ大きめでも、それなりに鍋に蓋が出来るのと同じ理屈です。ですので非常に敏感で、リードの振動に影響を強く与えるリードの先端は、「切実なリード調整」では手を出さないほうが無難です。リードのトリム(先端の形調整)は、割れたリードや先端のへたったリードへの対処方法と思ってください。
リード調整の肝は、「振動の促進と左右のバランス調整」です。ガラスパネルとやすり、市販道具ではリードリサーフェサーなどで、リード裏面の平面度を高めましょう。
この場合のコツは、なるべくリードの先端は削らないようにすることです。リードの2/3くらい後方を押して削る感じでしょうか。削っては試奏、削っては試奏、を繰り返し、案配の良いところで止めてください。やり過ぎは禁物です。ハートと左右のサイド(レールとも言う)をやすり、ガラス棒、トクサ、リードギーク等で削るのがバランス調整です。
リードをセットしたマウスピースを右、左に首をかしげながら吹き、左右のどっちが「鳴っていないか」を感じ、その方向を削って調整します。これも試奏を繰り返して進めて行く作業ですが、ハート部やバンプ後方は、削る前に硬い木やガラス棒等で、強く擦って圧縮するだけで、振動に変化が生じる場合もあります。この作業もやりすぎ注意です。
「捨てるリードを出来たら救いたい」ではないのです。捨てたくないから調整するのです。今やリードは一枚数百円、緊張して、慎重に、調整作業に是非成功してください。
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