サックスを所有する、というためには必ずサックスケースが必要となります。現在ではほとんどのサックスメーカーが、サックスをケースに入れた状態で出荷しますので、ユーザーのサックス購入の際には、当然のごとくメーカーロゴの入ったオリジナル付属ケースとともに購入します。
そのケースも多種多様で、トランク型のものから軽量パック型のものまで、モデルの特徴によって様々な工夫が凝らされています。場合によっては、オリジナル付属ケースが気に入ったがゆえに、そのサックスを購入してしまった、なんて場合もあるようです。そんな、「サックスケースの変遷」をたどってみましょう。
かなりの昔、サックス等の管楽器は、メーカーからケース無しで小売店へ出荷されていた時代もあるようです。それもやがて木箱に紙を貼った、簡易型のケースに入れての出荷となります。ヴィンテージサックスが良く収納されている、黒い紙が貼られた木箱のトランク状のケースですね。角には金属製のガードプレートが付いていたりします。
その後、管楽器ケースは、「木製・合皮張り・サイドに幅広のプロテクトクッション・フリップ型留め具、横長持ち手」という、お馴染みの箱型ケースに統一されていきます。サックスのケースに関しては、同型式の箱型でも、内部にサックス以外のクラリネットやフルートの入る、ダブルケース、トリプルケースも多かったようです。
そしてサックスがジャズで使われるようになる時代が来ると、移動の利便性に優れた「革製のソフトケース」が現れます。ラニオンブルースやクロンカイト等のケースブランドでお馴染みのデザインのソフトケースが、夜のマンハッタンを闊歩していました。
サックス奏者は長い間、車等の長距離移動は箱型ハードケース、短い移動はソフトケースという使い分けをしていました。しかしやがてその習慣を変える、「セルマーフライトケース」が登場しました。
同名のサックスケースを今もセルマーは販売していますが、最初のものはデザインや材質がちょっと違いました。大きな違いは、今のものと比べてかなり重いことです。
でも白くコンパクトなサックス型で、材質も堅牢、内部の楽器ホールドの性能も丈夫、ゴムパッキンで防水され、長いZ型のシールにプリントされた「Flight」の文字、斬新なデザインのサックスケースは、サックス奏者の人気の的となりました。
いわゆるコンツアー型(contuor:輪郭、曲線の意)のケースの走りとなり、このケース以降多くのケースメーカーが、次々とコンツアー型のサックスケースを開発・販売して来ます。
コンツアー型ケースの登場以降、サックスケースの進歩は、カーボンファイバーやプラスチック等の外被樹脂と、ウレタンやスポンジ等のクッション材の進歩の歴史に同調しています。楽器自身が重量のあるテナーサックスやバリトンのプレーヤー達には、嬉しくて涙が出るほど軽量で堅牢なケースが、今では安価で手に入るようになりました。
またケースの持ち方も進歩しています。最初は長手方向の取っ手ハンドルだけだったサックスケースですが、ケースを縦に持てる、いわゆる「サブウェイハンドル」が付き、ショルダーストラップが付き、今ではリュック式も主流です。デザインも豊富で、ファッションに合わせるケース選びも可能です。今では違うデザインのケースを、いくつか持っているサックス奏者も少なくありません。
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