今回はサックスケースの話です。
こだわるサックス奏者の中には、家の楽器倉庫での効率的収納を考えた「保管用」、軽量・身軽さに特化した「電車移動用」、持ち替え楽器や各種の荷物も考えた「演奏旅行用」等、複数のケースを所有している人も少なくないようです。そして巷には、そんな奏者のニーズにも応えられる、多種多様なサックスケースが販売されています。
ケース購入時のポイントや、サックスをケースに入れて運ぶ際の注意事項などをご紹介しましょう。
サックスケースを床やテーブルに平置きし、ケースの蓋を自分側から開くと、サックスのベルは自分側で、サックスの右半身が上側、ネックジョイントが右側に来ている、というのがほとんどのケース内の「サックスの寝姿」です。
ケース内でサックスを支える「内部ホールド材(あんこ)」の設計がし易いのと、なによりケースを開けたときに、美しいサックスの右側が見えることが、この寝姿が標準になった理由のようです。箱型ケース、パック型ケースにかかわらず、ほとんどのメーカーの、ほとんどの種類のサックスケースが、この寝姿で収納しています。
例外としてBAMの箱型「トレッキングケース」シリーズでは、サックスはネック側を左に、サックスの左半身を上に「寝て」います。寝姿が左上でも右上でも、ホールド材がサックスをしっかり支えてくれていれば、ケースとしての機能に不具合はありません。
昔のケースではサックスの頭(ネックジョイント部)、ボディ真ん中、U字管の3点で支える、部分ホールド型が普通でしたが、近年ではウレタンの整形加工技術が進歩し、サックス全体を均一に包み込む、全体ホールド型も多くなっています。
どんな形式のホールド材でも、サックスがケースの内部でガタつかないことが重要です。ケースを購入する際には、ケースを開けてサックスを寝かせた状態、またケースを閉めて建てた状態で、ケースを揺らして自分のサックスが「ガタガタ」しないかどうかを確認してください。同時に「押さえ過ぎ」にも注意が必要です。
サックス右半身、シャフト側は、一番出っ張っているシャフトポストの頭を押さえてホールドしますが、ホールド材が厚過ぎて、シャフトを押下げるほど押さえるのは好ましくありません。蓋を閉めた状態は目視出来ないので、蓋を半開きにして覗いたり、目分量で判断してください。押さえ過ぎのホールド材は、シャフトの曲がりを誘発します。
サックスをケースに入れて運ぶ際、注意しなければならないのが「振動」と「衝撃」です。サックスは管楽器の中でも重い部類に入りますので、サックス自身の重さが、振動と衝撃によるダメージを増強させます。
ケースを「ドン」と床に置かない、ケースを背負って走らない、車載はトランクよりも座席に固定、等々、連続振動と過大なショックを避けましょう。
長い時間の自宅保管の際は、サックスはその構造上、「立っている」のが良いようです。箱型ケースなら簡単に「立てて保管」出来ますが、パックケース等は壁などに立てかけて、倒れないように固定するのが良いでしょう。
ケースは「完全な防御」ではありません。細かな気遣いが、サックスへの事故を防ぐ最良の対策です。
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