サックスで音楽を奏でる我々サックス奏者にとって、楽譜は無くてはならないものです。音楽へのアプローチは楽譜から始まる、と言っても過言ではないでしょう。音楽の重要な要素のほとんどを記録できる楽譜という媒体は、私たちに知らない曲を教えてくれるし、知っている曲の運指を教えてくれます。「楽譜を読む」ということは、ほとんどの楽器奏者が習得している技術でしょう。
とはいえ、「楽譜を見た途端に知らない曲を演奏できる」という「初見」の能力については、「いや、初見は無理、じっくり何度かさらわないと無理」というアマチュア奏者は少なくないでしょう。今日はその「初見」の力を磨く方法をお教えしましょう。
「楽譜を初見で演奏する」ということは、目で見る楽譜の部分と、その旋律を演奏する指、身体がリアルタイムに連動するということです。指定されたテンポに乗って、目が追っていく音符が自分の演奏で音になっていきます。
楽譜全体を読み進め、何度かさらって吹けるようになるのと、初めての楽譜を見ながら演奏するのとでは、演奏に至る時間が全く違います。そんな初見に強くなるには音符の音階と体が連動することと、パターンの認識が重要です。
初見演奏のためには、目に入った音符の音階を、頭で「ドだな」なんて考える前に、指が動いて音を出せるようにするのが大切です。初見を前提としない譜読みでは、「ドーミド、んララレ、シーシーミーー」なんて風にフレーズで覚え、それを頭で運指に変換して演奏するでしょう。でも、その方法だと初見にはなかなか強くなりません。ゆっくりからで良いので、目に入った音符の音を体が勝手に鳴らせるようにしていきましょう。そういう譜読みの癖を付ければ、初見の技術ははもう手に入ったようなものです。
初見克服の第二関門は譜割りのパターン認識です。4分の4拍子なら、1小節に入る音符は4拍です。4拍の世界で考えると、その音符のパターンは意外と限られています。ジャズやクラッシックなど音楽のジャンルによっても、それぞれ独特なパターンを持っているので、パターンの数はさほど膨大なものではありません。
「ん、タンタンタン、タ」、「タン、タカ、タカタカ」、「ダーアー、んタんタ」のようにパターンで譜割りを認識し、そのパターンで自然に身体が演奏できるようになってしまいましょう。1小節やそれ以上の譜割りのパターンで身体が覚えてしまえば、テンポに乗った曲の進行に指が遅れることがありません。
時間の経過に対して、身体はもうそのパターンで演奏しようと準備が出来ているので、後は目で追った音符の音程で音を変えていくだけになります。そしてこのパターン認識による演奏に慣れてくると、演奏している場所より先の楽譜の場所が読めるようになり、所謂「先読み」することで演奏の精度や表現力を向上させることが出来ます。
初見で表現力の高い演奏をおこなうためには、細かなニュアンスの加減も重要です。いわゆる「棒吹き」では初見でも意味がありません。強弱記号等の音符以外の楽譜上の情報をしっかり再現することはもちろん、曲全般のアーティキュレーション(音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけること)を適正に演奏しなければなりません。
この技術の向上には….。とにかく数多くの楽譜、曲を演奏するしかありません。演奏の経験は自分の内なる表現力として確実に蓄積されていきます。初見である程度の演奏が出来ると、自分の音楽の世界が格段に広がります。
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