電子サックス、もしくはデジタル・ウインド・インストルメントの世界が熱さを増しています。先日紹介したヤマハのYDS-120に加え、電子リコーダーのElefue(エレフエ)やCARINA(カリーナ)など、新製品が続々と発表されています。
本日紹介するのはそんなデジタル・ウインド・インストルメントの中でも、「どこでもいつでもサックスの練習」にこだわった、スペインのベンチャー企業、Odisei Music(オデッセイ・ミュージック)社が開発した、「Travel Sax 2(トラベルサックス・ツー)です。
Travel Sax 2は、本物のサックスとほぼ同様なキーメカニズムを、右手キーと左手キーのレイアウトをオフセットクロス(ずらして重ねる)ことでコンパクトにまとめ、全長24センチ、幅13センチ、厚さ9センチ(ほとんど500mlのペットボトルの大きさ)、そして重量335グラムの超小型化を実現した、メカニカルキー型の電子サックスです。
製品にはアルトサックスのマウスピース(リガチャー、キャップ、リード付き)が付属し、同梱のマウスパイプ経由で本体に装着することで演奏可能になります。ピッチベントのコントロールは出来ませんが、息のスピードと圧力をセンサーが感知し、本物のサックスのような演奏表現が可能です。
本体には音源モジュールと小型スピーカーが内蔵されており、単独で50音色以上の発音が出来ます。もちろんスピーカーを鳴らさずに、イヤホンで聞く無音演奏も可能です。多くのウインドシンセが有している機能、BlueToothでスマホやPCに接続し、音源モジュールをMIDIでコントロールする機能も備えています。3Dプリンターを使用して作られたキーには、ステンレス鋼のバネが使用されており、本物のサックスと同等なキータッチで演奏することが出来ます。
本体はマットブラック一色ですが、キーは黒、ブルー、グリーン、レッド、水色、白、黄色の7色から選ぶことが出来ます。本体はリチウムイオン電池で作動し、充電はUSBタイプCケーブルでおこないます。価格は649ユーロ(約10万2千円)、本体に専用ケース、アルトサックスマウスピースセット、3種のマウスパイプ、USB-Cケーブル、アクセサリーポーチ、ワイピングクロスが付属するそうです。
Travel Sax 2の発明者でありオデッセイ・ミュージック社のCEO、Ramón Mañas(ラモン・マナス)氏は、「Travel Sax 2はサックスに代わる楽器ではなく、あくまでサックスの練習をするための道具だと考えて作りました。」と言っています。従って、息に対するレスポンスやキーのフィンガリングが、いかにサックス奏者に対して違和感を与えないかに注力されています。
また、「小さなアパートの一室でサックスを練習するのは大変でした。練習の音は同僚や近所の人たちに迷惑をかけてしまったので、屋外の公園で練習をしていました。しかし、冬が来ると寒くて練習できなくなったので、いつでもどこでも練習できるものを作らなければならないと思いました。だから世界一小さく、世界一軽いサックス練習機、Travel Saxを作ったのです」、というのがTravel Sax2を作り出すきっかけだったそうです。
まさに我々サックス吹きと同じ悩みを持つ仲間が作ってくれた、究極のサックスの練習装置なのですね。
——————————————————————————————–
⇒『 AIZENより 七夕 キャンペーン 返品保証30日+豪華3大特典付き』
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』
この記事へのコメントはありません。