サックス 演奏

昭和のサックス事情

アドルフ・サックスがパリに店舗を構え、サックスを販売し始めたのが1842年。日本では天保13年、ペリーの黒船来航の10年前、江戸時代の終わりが見え始めてきた頃です。
そしてその110年後の1953年、昭和28年に東京芸術大学サクソフォン科が開設され、翌昭和29年にはセルマー社のMark VIが発売、そして国産サックス、柳澤管楽器初のテナーサックスT-3が発売されます。
その頃アメリカではハードバップが誕生し、第1回ニューポート・ジャズフェスティバルが開催されました。63年の長きに渡った昭和の後半は、今に続く日本のサックスシーンの黎明期です。昭和のサックス事情を振り返ってみましょう。

昭和20年、終戦後のアメリカ駐留軍から広まったジャズが、日本のサックスシーンの始まりと言っても過言ではないでしょう。サックスという楽器はジャズやポピュラー音楽とともに、またたく間に日本の社会の中に浸透してきました。伝説の名器、セルマーMark VIが発売された昭和29年頃には、サックスはすっかりポピュラー音楽の主役級楽器になっていました。
その頃のサックス奏者の多くは、ジャズバンドのメンバーです。ビッグバンドでのサックス奏者は、フルートとクラリネットへの持ち替えが必須なため、木製ボックス型のケースは、サックスの他にフルートとクラリネットも収納できる、「トリプルケース」が普通に流通していました。ご想像通り、楽器満載のトリプルケースは非常に重いため、機動性を重視するサックス奏者は、本革やフェイクレザー製のソフトケースを使用していました。
アメリカのラニオンブルースが、ソフトケースの代表メーカーでしたが、アコーディオンのソフトケース製作工房だった日本の「土方ケース」が、サックスのソフトケースを発売すると、またたく間に人気のサックスソフトケースになりました。現在流行の軽量パックケースはまだまだ登場しておらず、セルマーが販売したパック型ケース、「フライトケース」は、丈夫ですがかなり重量がありましたが、デザインと小さな形状で人気を博しました。

どんなケースでサックスを持ち歩くかは、ある意味サックス奏者の「ファッション性アピール」でもありますが、マウスピースのセッティングでもファッション性がアピールされていました。
当時でもメイヤーやオットーリンクがいわゆる主流マウスピースでしたが、アルゼンチン出身のジャズ・テナーサックス奏者、ガトー・バルビエリがトレードマークのつば広帽を被って吹く「ベルグラーセン・メタル」や、ソウル、ポップスシーンで引っ張りだこのテナー奏者、村岡健が吹く「赤いバンドレン・ソウルモデル」は、当時のアマチュアサックス奏者たちの憧れでした。

昭和49年にセルマーMark VIIが発売されると、世界のサックス事情は段々変わっていきます。Mark VIIはかなりポップスシーンにフォーカスした設計のサックスになっており、当時の評価は、「大きく太い音が出るが、キー操作が大柄、細かいニュアンスが出し難い」と、Mark VIからの変化が肯定的に受け取られませんでした。
しかしこの頃から、各メーカーのサックスは明るい音色、澄んだ音色の方向にシフトしていき、サックスの総販売数量は増大し、サックスのブランドばかりでなく、ケースやアクセサリーメーカーも続々と市場に参入してきます。
そして昭和のサックス事情は過去のものとなり、現在のサックスシーンへと変化していきました。技術の進歩で格段に向上したサックスの周辺ですが、昭和のどこかのんびりとしたサックスシーンを懐かしむサックス奏者達は、決して少なくありません。

 

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