サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なアルトサックスで約600点の部品から構成されています。その膨大な数の部品が、ひとつひとつ各々の役割を果たし、私たちサックス奏者の演奏をサポートしてくれています。また数多くのサックス関連アクセサリーも販売されています。サックスやアクセサリーを細かく解剖し、それぞれの部品の役割を探ってみましょう。今回のテーマは「リード保湿剤」です。
かなり長い間、「乾燥保管」が一般的だったサックスのリードですが、近年では「保湿コントロールすべし」というのが標準になっているようです。
テナージャイアント、故マイケル・ブレッカーは、「一度湿らせたリードは、使い終わるまで乾燥させるべきではない」と発言していました。その頃からリードの「保湿ケース」が、多くのサックス奏者に使われるようになりました。保湿ケースに使用されているのが保湿剤です。
ダダリオのリード・ヴァイタライザー等の製品は、リードの保湿保管に有効です。「保湿が重要」と言われると、お肌の保湿ケアをまず思い浮かべますが、他にも保湿が必要なものがあります。それは「葉巻」です。
葉巻はその香りと品質を維持するため、しっかりと保湿管理して保存しなければなりません。自然塩やシリカゲル、植物繊維などと純水を組み合わせた保湿剤の紙パックを、葉巻の保存容器に入れることで湿度を加減して一定に保つことが出来ます。この保湿パックをリードケースに入れておけば、リードの保管湿度をコントロールすることが出来ます。ちなみに保湿パックは、ハーブ保存用にも販売されているものもあるようです。
演奏中のリードの保湿も重要です。演奏の後に長い合間があれば、マウスピースに装着されたリードは乾燥してしまいます。持ち替えが多いサックス奏者などには死活問題です。そんなニーズには、「保湿材(剤ではありません)」を持ったマウスピースキャップが用意されています。フランソワルイのスマートキャップにはスポンジ材が貼り付けられており、そこに水を含ませることでリードの乾燥を防げます。
他にも保湿材を付けたマウスピースキャップもいくつかあるようです。またオットーリンクのメタルマウスピースのキャップには、先端に大きな穴が開いていますが、この穴をテープ等で塞ぎ、リードの乾燥を防いでいるサックス奏者も数多くいます。これも「保湿材」と言えるかもしれません。
このような保湿剤(材)でコントロールされるべきリード保管ですが、注意しなければならないのが雑菌やカビの発生です。
乾燥時には雑菌やカビは繁殖し難いですが、湿度、温度、空気が揃うと彼らの繁殖好環境となります。リード保湿ケースをジップロックに入れて空気を遮断したり、冷蔵庫等の冷暗所で保管するなどの配慮も、リードの保湿保管には重要です。
また家でのリード保管は、ワンカップのビンに水を入れ、それにリードを浸けて、冷蔵庫で保管、というサックス奏者も結構いるようです。リードの保湿ケア、ご注意ください。
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