サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なアルトサックスで約600点の部品から構成されています。その膨大な数の部品が、ひとつひとつ各々の役割を果たし、私たちサックス奏者の演奏をサポートしてくれています。また数多くのサックス関連アクセサリーも販売されています。サックスやアクセサリーを細かく解剖し、それぞれの部品の役割を探ってみましょう。今回のテーマは「スワブ」です。
管楽器特有の掃除道具、「スワブ」は、英語で「床・甲板ふきに用いるモップ」を意味し、動詞は「床・甲板を拭き掃除する」です。管楽器の掃除道具のスワブは、通常布に紐が付いたもので、紐の先端におもりが付いており、おもりの重さを利用して管体内にまず紐を通し、そして紐の端を引っ張って、その先の布を管体内に通すことで、内部の水分や汚れを拭き取るようになっています。
管体の内側を均一に拭(ぬぐ)えるよう、スワブメーカー各社はそれぞれユニークな独自のデザインを採用しています。AIZENスワブは、非常に柔らかで吸湿性の高いシルク素材を拭き取り布に使用し、管体内部を傷つけることなく、管体内の水分と汚れを効率良く拭き取ることができます。Woodstoneボディスワブは、布の裏側に円形のスポンジを取り付けることで、管体のパイプの内壁に布をスポンジが押し付ける形になり、管体の内側をまんべんなく拭えるようになっています。
Nonakaスーパースワブでは、布の内側にはスポンジのボールが仕込んであります。パイプ径に合わされたスポンジボールで、布を管体内部に押し付けます。ケルブル社のThe Sax Dryerでは、朝顔の花のように組み合わせて縫い付けられた、特殊な形状の高級マイクロファイバー生地によって、管内を傷付けることなく、管体の水分と汚れを拭き取ります。
ユニークなコンセプトで名を馳せるサックスメーカー、キャノンボール社のドラゴンスワブには、大小20枚以上の拭き取り布が紐に連結されており、文字通りドラゴンのような見た目ですが、ひと通しでごっそり管体の水分と汚れを拭き取ります。
管体内部を傷付けず、均一に水分と汚れを拭き取るべく、スワブメーカー各社は様々な工夫を凝らしている訳ですが、スワブは「管体の中を通る」という仕様故に、「管体への詰まり事故」を完全に回避することは出来ません。
近年、多くのスワブには「引き戻し紐」が付けられており、「お、詰まったかな?」となった時には、逆に引き戻して詰まりを回避することが出来るようになっています。これによって、「どうにも抜けないスワブ詰まり」は激減しましたが、それでも詰まってしまった場合はリペアマンに解決してもらうしかありません。
リペアマンは硬く細い棒で慎重に詰まったスワブを押し戻し、詰まりを解決しますが、どうにもならない場合は、キリやドリルで固まったスワブに穴を開けて、「破壊して」取り出します。もちろんこの場合はスワブは再使用不可能です。
そうそう、マウスピースにスワブを通すときは、シャンク側からティップ側へ一方通行で通すのが鉄則です。逆方向だと、マウスピースを傷付けてしまう場合があるので注意してください。
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