近年、サックス用ストラップのデザインは、目覚ましい進歩を続けています。サックスはストラップでその重量を支えて演奏するため、伝統的な形状の首掛け型ストラップでは、どうしても首への重量負担が少なくありません。
サックス奏者の中には、ストラップによる首への重量負担で頸椎が圧迫され、慢性の酷い首や肩の痛みに耐えきれず、サックスの演奏を断念する方もいるようです。
サックスはアルトで約2.3kg、テナーが約3.6kg、一番重いバリトンで約6.5kgと、決して軽いものではありません。それを首から吊って演奏するのですから大変です。しかしこれはサックス奏者全員に当てはまることです。そして多くのサックス奏者は、その重量を気にせずに演奏しています。
ストラップを正しく装着すれば、サックスの重量を気にせずに演奏することが可能なのです。正しいストラップの装着のコツを解説します。
サックス奏者の首の悩みを解決するため、また演奏姿勢をより良いものに維持できるよう、ここ10年程のサックスストラップのデザインは大幅に進化しています。
ビーエアーブランドのBird Strapを代表とする「T字型」スライダーを採用したものや、ブレステイキングストラップのように、延長バーで左右のストラップスリングを平行になるようデザインされたものなど、類似のデザインのサックスストラップが多くのメーカーから販売されています。
またタスキのようなハーネス形状で首への負担を削減したものや、傘の柄のようなフックを左右の肩に引っ掛けて、サックスの重量を肩で支えるタイプのものも出ています。斬新なデザインとしては、ヴァンドレン社のユニバーサルハーネス サクソフォンストラップのように、腰に巻いたサポートベルトから伸びたベルトを、肩を経由してサックスのストップリングにつなげるものもあります。こうなると、首への重量負担は皆無と言えます。
しかしどんなデザインのサックスストラップも、正しく装着しなければ、その機能を有効に使うことは出来ません。正しい装着方法と言うと、何か難しそうですが、要は「間違った装着をしない」ということで、間違った装着とは、「サックスの重量を首の高い位置で支えない」という一点に集約されます。
一般的なサックスストラップのネックベルトを、首の高い部分に巻き付け、背筋を丸めた演奏姿勢をとり、サックスの重量を首の後ろの一点に集中させてしまう。これが、やってはいけないストラップの装着方法です。ネックベルトを首の根本の低い位置に巻き、背筋を起こし気味にすれば、サックスの重量は左右二か所の首の付け根の肩甲骨のあたりにかかってきます。
人間の肩、肩甲骨は腕を動かすための骨で、非常に頑丈、重量に耐えられるようになっています。背負子やリュックを使えば、かなり重たいものでも難なく身体で支えることが出来るように、両肩を上手く使えば、どんなタイプのストラップでも、サックスの重量はまったく意識しなくて済むようになります。そして左右の肩でサックスを支えれば、呼吸での胸の開閉が楽に出来るようになります。
どんなデザインのサックスストラップでも、「ダメな装着」は同じです。是非この「原則」を意識してストラップを装着してみてください。
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