サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なアルトサックスで約600点の部品から構成されています。その膨大な数の部品が、ひとつひとつ各々の役割を果たし、私たちサックス奏者の演奏をサポートしてくれています。また数多くのサックス関連アクセサリーも販売されています。サックスやアクセサリーを細かく解剖し、それぞれの部品の役割を探ってみましょう。今回のテーマは「ネックスクリュー」です。
「ネックスクリュー」は「ネックタイトニング・スクリュー」や「ネックジョイント・スクリュー」とも呼ばれ、サックス本体側のネックレシーバーの円周部分をネジで締め付け、ネックを本体にしっかりと固定するためのパーツです。
近年では、多くのメーカーから材質や形状、デザインが異なるものが次々と発売され、音質改造のサックスアクセサリーとして各々高い人気を得ています。ネックスクリューを交換することによって、「鳴りが良くなった」とか「音が締まる」とか、「吹奏感が軽くなった」等、好意的な感想が数多く語られています。
サックスの老舗メーカー、ヤナギサワの「ヤニー・ブースター」や、石森管楽器の「Wood Stone Automagic(オートマジック)」、buzzの「コネクションスクリュー」、ゴッツ社の「SV950 Sax Neck Screw」などが今、サックス奏者の間で話題になっています。
何故ネックスクリューの材質や形状を変えると音質が変わるのかについては、メーカー各社が様々な研究をしているようですが、ネックスクリューが奏者の口と耳にとても近い位置にあるため、音質の変化が奏者に認識され易い、という要素が大きく、音質改造アクセサリーとしての効果がより強く感じられるという事があるようです。
セルマー社が最近リリースした、自ら「最高のサックス」と称する「Supremeシリーズ」では、ネックスクリューどころか、ネックレシーバーの材質そのものを本体の真鍮と異なる材質、洋白(銅と亜鉛とニッケルから構成される合金)にしました。
しかも通常のサックスではネックスクリューと対になっていた、「ライヤーホルダー(行進用譜面立て)」とその固定ネジ、「ライヤースクリュー」までも取り除いてしまいました。同シリーズの吹奏感もサウンドも評価は上々なので、この形が「新しい時代のネックスクリュー周り」になるのかもしれません。
ネックレシーバー部には垂直のスリット(隙間)が刻まれており、そのギャップをネックスクリューで締め込み、ネックソケットの円周部分を均一に締め上げることで、ネックと本体を強固に隙間無く固定します。ですのでネックソケットとネックレシーバー部の真円構造が歪んでいると、いくらスクリューを締め上げても、しっかりと両者が固定されません。
ネックと本体が正しく繋がらないと、息漏れや音程の狂い、サウンドの劣化が生じます。これらの部分にダメージを与えてしまったり、なにかおかしいなと感じた場合は、迷わずリペアマンに相談しましょう。
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