同じ木管楽器で運指が似通っていること、またサウンドがまろやかでサックスのそれに近しいことなどから、フルートはサックス奏者の持ち替え楽器の主流です。
サックス奏者が初めて触れるフルートとしては、指がキーに届き易いオフセットキーシステムで、キーが完全にカバーされているカバードキーが付き、最低音Cの、「C管オフセットカバードキー」のフルートが多いでしょう。でもでも、フルートの種類は実は奥が深いんです。今日はフルートの色々な種類を紹介しましょう。
クラッシック系のフルート奏者の多くが選ぶのは、インラインリングキーのH足付きのフルートです。インラインキーのメリットは、構造的がシンプルで音響的に無理が無く、素直で立ち上がりの良い音になる点ですが、キー(トーンホール)が一直線に並んでいるため、オフセットキーに比べると指が少しだけ置き辛いです。
ただし穴の開いたリングキー(フレンチキーとも言います)では、リングの部分だけ押さえたり、指を滑らせて、穴を少しずつ開けていったりと、カバードキーの楽器では出来ない奏法を可能にすることが出来、また指でキーの真ん中を押さえて穴を塞がないと音が出ないため、指の形が綺麗になり、指の力が抜けて、早く動かせる事が出来ます。
クラッシックの楽曲では、リングキーのフルートでないと演奏できない曲も数多くあります。「H足部管(はーそくぶかん)」は、最低音がシまで出るだけでなく、音色も豊かで高音部の音程が安定します。
H足は足部管が長く、一つトーンホールが多いC管ですが、「フルートダモーレ」というフルートは、管の調そのものがB♭またはAのフルートです。C管のフルートより管体も太く、より柔らかい音を出すことが出来、またアルトフルートより輪郭がはっきりしている、非常に個性豊かなサウンドを持った「笛」です。フルートダモーレとは「愛の笛」の意味で、まさにそんな音の楽器です。キーがテナーと同じため、あえてダモーレを持ち替え楽器に使用するテナー奏者もいます。
またこの他に、C管コンサートフルートの1オクターブ高い音を出すことが出来る「ピッコロ」もあります。ピッコロはイタリア語の「小さい(piccolo)」に由来し、甲高い高音が特徴です。
またE♭調の楽器で、フルートよりも短3度高い音を出す「ソプラノフルート」、G調でコンサートフルートより完全4度低い「アルトフルート」、コンサートフルートよりオクターブ低い「バスフルート」、そして大きな4の字の形をして、床に立てて吹く、コンサートフルートの2オクターブ下の音を出す「コントラバスフルート」などもあります。
フルートの種類ではありませんが、最近注目されている「グリッサンドヘッドジョイント」というフルートの頭部管があります。なんとリッププレートの位置が頭部管の上をスライドし、管体の長さを変えるグリッサンド奏法が可能です。
ロバート・ディックというフルート奏者が開発したこの頭部管は、リッププレートの左右から伸びたバネ状のアームで奏者の両ほほを挟さみ、奏者が顔を左右に動かすとリッププレートがそれに付いたパイプごと動き、フルートの長さが変わることで滑らかに音高が変わります。まるでトロンボーンみたいですね。
——————————————————————————————–
⇒『 AIZENより 新生活応援キャンペーン 返品保証30日+豪華3大特典付き』
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』
この記事へのコメントはありません。