サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なアルトサックスで約600点の部品から構成されています。その膨大な数の部品が、ひとつひとつ各々の役割を果たし、私たちサックス奏者の演奏をサポートしてくれています。サックスを細かく解剖し、それぞれの部品の役割を探ってみましょう。今回のテーマは「マウスピースキャップ」です。
マウスピースの先端とリードの先端という、サックスの演奏にとても重要で繊細な部分を守るための部品が、マウスピースキャップです。大事だとは分かりながらも、どこかに置き忘れて無くしてしまったり、ぴったりと合うものが見つからずにキツキツだったりガバガバだったり、何か解らないが妙に沢山持ってる、なんてちょっと悲しい部品です。
特定のマウスピース用に付属しているものでも、リガチャーを換えたら使えなくなったり、リガチャーの締める位置を移動したら、リードに触ってしまうようになったりと、すごく微妙な形状を求められるのが、このマウスピースキャップです。
マウスピースキャップ単独の商品はサックスメーカー各社、また多くのアクセサリーメーカーから、星の数ほど販売されており、それぞれのデザイン、サイズ、材質が多種多様に異なっており、選択する側としては嬉しい悲鳴なのですが、自分のセッティングに合うかどうかは試してみないと分からない、ということなので、マウスピースキャップ選びはかなり難しいようです。
キャップの材質は、通常プラスチックか真鍮系の金属ですが、金属製のものは押したり引っ張ったりして変形させられるので、自分のセッティングにフィットさせ易いと人気があります。しかし金属キャップはステージ等で落とした時の音が凄まじいので、この理由からプラスチック製キャップを選ぶサックス奏者もいるようです。
長い間サックス奏者を悩ませている(笑)マウスピースキャップですが、いくつかのメーカーが個性豊かなデザインの「特殊マウスピースキャップ」も出しています。
ベテラン勢ではフランソワルイ社の「スマートキャップ」。アームでマウスピース胴体にしがみつき、短いクサビ形の先端キャップでリードとマウスピースの先端を守ります。リード側のプレートにはフェルト状の保湿素材が付いており、そこを湿らすことでリードの乾燥を防ぎます。アーム形状は特殊なリガチャーの形状にも対応できるため、発売から十年以上経った今でも人気のキャップです。
また新しい製品では、シルバースタインの「オムニキャップ」が人気です。マウスピースやリガチャーのメーカー、形状を問わず、汎用的に使うことが出来る、シリコンラバー製のマウスピースキャップで、リードとマウスピースの先端部分をしっかりとガードし、シリコンの弾力と摩擦でマウスピースの先端にしっかりと固定されます。
また、シリコン製のためコンサート会場やステージで落下してもまったく音がせず、従来のマウスピースキャップに較べて飛躍的にコンパクトなので、ポケット等に簡単に収納出来ます。目からうろこの斬新なデザインと機能で人気のオムニキャップですが、形状も素材も似通った、安価な類似品が早くもネットに出回っているようです。うーむ、やっぱりマウスピースキャップ選びは大変ですね。
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