サックスのパッド(タンポ)は、トーンホールを塞いだり開けたりして音階を作り出すための、トーンホールの密閉を司る重要な部品です。
柔らかな皮革で出来たこの部品は消耗品で、劣化してトーンホールの密閉度が落ちてきた場合には、交換が必要となります。パッドの劣化を最小限に抑えるため、またべたつきや息漏れなどのトラブルを避けるため、日頃のパッドケアは重要です。
パッドトラブルの「あるある」の筆頭は、「パッドのべたつき」でしょう。G♯、C♯、E♭等のクローズキーが、キー操作で開き難くなったり、オープンキーでもトーンホールにペタペタとくっ付いて、戻りが悪くなったりします。
Woodstoneの「スムースパッド」や「Pad Life」、ノナカの「パッドガード」等のパッドケア製品は、パッドに液体を塗ることでベタ付きや貼り付きを予防し、改善します。いずれもパッドの表面を柔らかくし、やや湿った感じに保つ液体なので、塗り過ぎに注意することと、パッドにホコリがやや付着しやすくなるので、演奏後のパッド清掃に気を使うことで、効果を持続させることが出来るようです。
ヤマハの「パウダーペーパー」は液体ではなく、紙に着いた特殊パウダーをパッドに付着させることで、べたつきを解消します。あらかじめパッドの水分、油分を取り除いてから、パッドとトーンホールの間にペーパーを挟み、キイを数回動かしてパウダーを付着させます。
またパッドのべたつきの原因が、トーンホールのエッジに溜まった汚れが原因の場合もあります。この場合は綿棒やクロスを使って、トーンホールエッジの内側と外側を拭くことで、パッドのべたつきが改善する場合もあります。トーンホールエッジの清掃の際には、パッドカップ(トーンホールを塞ぐ部品全体)にはなるべく触れないようにし、部品に無理な力が加わわらないよう注意してください。
サックスを演奏した後は、スワブを管体に通して管体内の水分を拭き取るのと一緒に、パッドに付着した水分も取り除いたうえで、サックスを完全ドライにした状態でケースに仕舞うことをお勧めします。
パッドの水分除去には、BGの「パッドドライヤー」、ノナカの「吸水シート」、ヤマハの「クリーニングペーパー」などがありますが、パッドとトーンホールの間に挟み、パタパタとキーを閉じてパッドの水分を取ります。
ちょっと年配のジャズ系サックス奏者の中には、パッドの吸水にアメリカの1ドル札を使うひともいました。ジャズ全盛期のアメリカで流行ったそうで、1ドル札の厚さや水分の吸い取り具合がちょうど良かったそうです。
パッドの状態に不具合が無くても、バネの力を開放することで開くようになっているG♯キー、LowC♯キーでは、キイの操作をしてもバネの力だけではタンポが離れず、キイが開かないことがままあります。演奏前には、これらのキーの貼り付きを指で軽く剥がしてやれば、以後問題なく開く場合が多いです。
ニードルバネの強さが足りない場合にも、同様の不具合が起きますので、ニードルバネをしごいて強さを増せば、このトラブルは解決する場合もあります。メカいじりに自信のある方は、試してみてください。
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