生活必需品が軒並み値上がりしています。異常な円高を受けて、輸入品も恐ろしいペースで値上がりしています。
我々サックス奏者の必需品、リードも値上げが続いています。それでなくてもリードはパッケージ内の歩留まりが悪く、サックス奏者のお財布を脅かす、金食いムシの代表です。リードを調整して、「買ったリードは全部鳴るようにする」しかありません。今日はリードの調整の話です。
リードの調整は、やすりや刃物でリードの形状を整え、振動の特性を良い方向に改造する作業です。古くはトクサという湿地に自生するシダ類の、硬化した茎の表皮でリードを削っていました。かつては河川敷等に自生していましたが、最近ではあまり見かけません。
今では多くのサックス奏者が、トクサに代わって紙やすりでリードを調整します。紙やすりはその番号で粗さが決まりますが、リード調整には1000番前後の紙やすりが適当なようです。
リード調整専用の道具としては、バンドレン社の「リード・リサーフェサー」という製品で、ガラス製の小さな平面板と、ガラススティックがセットになったものがあります。ガラス板とスティックの表面は、サンドブラスト加工でヤスリ状になっており、リードの裏の平面出しや、リードのティップ、ハート、サイド等の部分を微妙に調整することができます。
リードの削りくずがやすりの目に詰まったら、水で流すことが可能です。やすり系は目に削りくずが溜まりますが、最近人気の「リードギーク」は、やすりではなく「刃物」なのでそれがありません。硬度の高い炭化バナジウム合金でできた細長い角柱で、その角の辺3か所に配置された刃を使い分け、リードの表面や裏側の凹凸、サイドレールなどあらゆる箇所を細かく調整できます。
リードの調整は、「形状を整える」ことが基本です。「鳴るリードを作る」のではなく、「鳴らないリードを正しく調整して鳴るようにする」のが正しい考え方でしょう。
天然植物であるケーンから作られたリードは、どんなに精密に製造しても、その後湿度や温度の環境変化で微細に変化してしまいます。その変化による性能の劣化が、所謂ダメリードを生みむわけです。このダメリードの形を整え、リード本来の性能を呼び覚ますのがリードの調整です。
リード調整のポイントは、歪みの除去とバランス調整です。歪みの除去とは、曲がったり、膨らんだり、反ったり等の、形状の狂いを補正します。一番多い歪みはリード裏面の反りで、これによってリードの平面性が失われ、マウスピースへの密着度が損なわれます。
平滑な面に置いたやすりや、完全に直線の刃物でリード裏の平面性を補正すると、かなりのダメリードも機能が復活します。表面ではバンプ(盛り上がった部分)の両サイドの端を少しづつ削り、リードの左右がバランス良く鳴るよう、試奏しながら調整してください。吹きながら首を左右に傾げると、リードの左右の鳴りのバランスが分かり易いです。
この他にも、色々な「リードの調整箇所」がありますので、ネットで検索して研究してみてください。上手く調整すれば、リードは使えるようになるはずです。
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