サックスは生誕から180年の、とても新しい楽器です。親戚のクラリネットやフルートは、現在のメカニズムが定着してからは200年ちょっとですが、古くからの祖先を有する古典的な楽器です。
ニューエイジ楽器の筆頭、エレキギターは、その誕生から約90年。音楽界での役割や、楽器の「若さ」を考えれば、サックスは実はエレキギター的なのかもしれません。最近サックスの練習方法に、エレキギター的なアプローチが合っているのではないか、と言われ始めています。
ある著名なサックス講師が、ネットでこんな例え話しをしていました。
「バンドをやりたい、って若者が二人、それぞれエレキギターとサックスと習い始める。半年後、エレキギターの子はバンドの一員として、ステージで演奏し、大いに観衆を沸かせている。サックスの子はまだスケール練習を繰り返している。サックスの子の半年の練習を否定するものではないが、旧態然とした楽器修行的なサックスの練習方法は、こんな差を作ってしまうように思う。」、と。
どんな楽器も、それを習熟するには努力と練習が必要です。エレキギターもサックスも、それなりに演奏出来るようになるには、沢山の「クリアすべきハードル」があります。
しかしエレキギターが、その楽器の若さと操作の取っ付き易さゆえ、目的に特化した練習に集中し易い環境にあるのに対し、サックスはそれが管楽器であるが故に、他の管楽器等の古典楽器に多く見られる、「修行的な鍛錬」から練習のアプローチがされがち、というのがそのサックス講師の見解です。
エレキギターという楽器にはたくさんの役割があり、奏法も多岐に渡り、それらのすべてをマスターしているギター奏者は、皆無と言って良いでしょう。故にエレキギターの習得は、自然に目的に応じたアプローチでおこなわれ、とてもはっきりした目の前のゴールを目指します。そして「出来ることから楽しくやろう」という感覚が定着しています。
かたやサックスは、楽器で音階を出すだけでも、かなりの苦労を経なければなりません。サックスを始めようとしたきっかけのアイドルサックス奏者は、とんでもなく素晴らしい音で自分を魅了しました。そのそばに辿り着くには何十年かかるのだろう、などとため息をつきながら今日もロングトーンを数時間も練習、なんて「サックス修行」の毎日。そんな修行僧のような練習だけで、大好きなサックスと付き合う時間を使うのは、とてももったいないです。
サックスという近代楽器は、もっと楽しく付き合える楽器です。エレキギターの練習の感覚で、自分で練習の意味を見出し、適切に目標に向かい、出来るようになりたいことを集中的に練習する。面倒臭い基礎練習は、多少後回しでも良いでしょう。
そしてなにより「練習を楽しむ」。特にサックス初心者はこの練習の肝を忘れがちです。超一流のプロサックス奏者でも、日々の練習を欠かしません。音楽をやりながら、常に練習で自己を維持、改善しています。
アマチュアだったらなおのこと、最初のハードルを下げて、まずはやりたい音楽を出来るようになり、楽しみながら自己を鍛錬していけばよいのではないでしょうか。それが「実は昔からある」、新時代のサックス練習法(?)らしいです。
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