マウスピースにリードをセットするとき、どんな位置にリードを置いて固定しますか?例の「髪の毛一本」ですか?マウスピースの先端から、髪の毛一本ほどの幅を下げてリードの先端を合わせる。伝統的なサックス奏者の常識ですよね。
しかし最近では、このリードのセット位置について、色々な説が論じられているようです。サックス奏者の目標、「吹き易い」、「良い音」のためのリードの位置はどこなのでしょう。
マウスピースにリガチャーで固定されたリードは、誰でも考えるように、長手方向に団扇のように「パタパタ」と振動します。とても細かい振動なので、パタパタとは感じ難く、解放されたリードの長さの上にいくつもの振動の節が作られて、複雑に振動します。
振動によりリードはマウスピース先端にくっつきますが、弾性で跳ね返り、またマウスピースから離れます。マウスピースに「くっつく」、「弾性でもとにもどる」を繰り返しリードが振動を起こすことで音が出ます。また単純な「パタパタ」運動だけでなく、横方向のうねりも加わり、振動の複雑さを作り上げているようです。
このリードによる振動は単一周波数のものではなく、あらゆる周波数の要素を発生させており、管体の長さで決まる「共鳴周波数」の振動が、大きく増幅されて「サックスの音」になります。この「あらゆる周波数」というところが、「鳴るリード」と「鳴らないリード」の分かれ目になります。
どんなリードもちゃんとセットすれば音を出します。しかし鳴るリードは出て欲しい周波数の振動を上手く出してくれ、鳴らないリードは逆に欲しい周波数の振動が苦手ということなのです。
これはリード個体の「特性」なので、削ったり湿らせたり、乾燥させたりと、「改造・改良」をしなくては、特性は変わりません。しかし「特性」を換えなくても、「リードの状態」を換えることは出来ます。
リード先端をマウスピース側に押し付けて、マウスピースの先端とリードの先端を揃える、というセッティングがあります。
これはリードの振動する長さが長くなり、下唇のコントロールによる影響が出やすく、ダークな音を出し易くなります。リードの先端をティップレールが半分以上見えるほど下げる、というセッティングもあります。リードの硬さの番手を上げたような効果が得られ、明るく、ストレートな音が出やすくなります。
リードをまっ直ぐではなく、少し曲げてセットするプレーヤーもいるそうですが、どんな音で、どんな吹き心地になるのか分かりません。
このように、リードのセット位置に、「絶対」の決め事は無いようです。そう、「髪の毛一本」に囚われず、リードが気持ちよく「鳴れる」場所を探してみるのはどうでしょう。
この考え方で、鳴らないリードも鳴るようになることがままあるようです。
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