サックス 演奏

サックス偉人伝:ヤン・ガルバレク

今ではジャズの一つのカテゴリーとして確立されている、北欧ジャズ。ノルウェーを中心に発展した、独特な透明度を持ち、流れるようなアドリブ展開、そして耽美的であるが甘さに流されない、そんなアメリカ系ジャズとは異なる個性を持ったジャズのジャンルです。その北欧ジャズが世界に知らしめられるのに大きく貢献したのが、ソプラノ&テナーサックス奏者のヤン・ガルバレク(Jan Garbarek)です。
ヤンは1947年3月4日、ノルウェー・オスロ近郊のミューセンに生まれました。元々は音楽に興味のない少年でしたが、14歳の時に偶然ラジオで聴いたジョン・コルトレーンのアルバム『Giant Steps(1960)』中の曲、「Countdown」に衝撃を受け、サックス奏者になろうと思い立ったそうです。
その半年後クリスマスに親にサックスを買ってもらい、一生懸命練習したそうです。そしてなんと練習を始めて1年後には、アマチュアの大会で優勝し、その後自己のグループを率いて活動を始め、20歳代には、多くの北欧のミュージシャン、ヨン・クリステンセン(ds)、テリア・リプダル(g)、アーリル・アンダーシェン(b)等と、レコーディングを重ねるようになっていました。
1970年代後半にキース・ジャレット(pf)率いる『ヨーロピアン・クァルテット』のメンバーとなり、バンドとともに世界中をツアーしています。1993年には古楽及び現代音楽を得意とする聖歌カルテット、『ヒリヤード・アンサンブル』とグレゴリオ聖歌をフィーチャーしたアルバム、『オフィチウム(1993)』を発売し、150万枚を売り上げる大ヒットとなりました。
ヨーロッパジャズの人気レーベル、ECMレコードに設立初期より参加しており、現在もレーベルの代表的なミュージシャンの1人として活躍しています。

コルトレーンに影響を受けてサックスを始めたという事もあり、キャリア初期はフリーキーでアヴァンギャルドなスタイルでの演奏が多かったですが、やがてフリージャズを基調としながらも、耽美的、禁欲的なスタイルが見られるようになり、近年はアドリブを極力抑えたミニマルなスタイルとなっています。
このスタイルはしばしば、ジャズではなくアンビエント、ニューエイジと言われることもありますが、ヤン本人は自己の音楽に関し、「私にとってジャズとは、ルイ・アームストロングにはじまり1965年頃までの間に完結したものだ。それ以降のすべてのものは、私がジャズと呼ぶものとは別領域にある。私は自分の音楽をジャズであるとは考えていない。ジャズのリスナーとして、またその演奏者としての私の長い歴史が、私の音楽にジャズの要素を持ち込んでいることは間違いないだろが、多少は異なったものになっているんじゃないかな。」、とインタビューに答えています。

ヤンの楽器は、テナーが仏セルマーのMark VIにマウスピースはTheo Wanne(セオ・ワニ)のメタル、ソプラノはBuescher(ビッシャー)のゴールドプレートカーブドソプラノにベルグラーセンのメタルマウスピースを使用しています。
多くのファンが「氷のよう」と表現するテナーサウンドは、非常にクリアで滑らか、かつ繊細な響きを持っています。独特の際立った透明感を持つカーブドソプラノサックスの音色は、他に類を見ない表現力を持っています。

 

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