サックス4本や5本のみで合奏するサックスアンサンブルは、今や本家のクラッシックサックスばかりでなく、ジャズのジャンルでも人気ユニットが増えています。
クラッシック系では「トルヴェール・クヮルテット」や「雲井雅人サックス四重奏団」、ジャズ・ポップス系では老舗グループ、「サキソフォビア」や「堀恵二とメロウ・サキソフォン・アンサンブル」などが有名です。
またサックスアンサンブル用のアレンジ楽譜も数多く市販されています。コロナ禍で大編成の管楽器バンドが練習しずらくなり、サックスアンサンブルでの活動を始めたサックス奏者も多いようです。サックスアンサンブルの演奏と練習のコツやポイントをおさらいしてみましょう。
アンサンブルの最も重要な肝は、出だしの音の発音のタイミングの同期です。いくらカウントを数えたり、キューサインを出したりしても、奏者によって息の量や舌の使い方も異なるので、一つの楽器のようにぴったりと合わせるには、何度も合わせ、確認し、修正し、また確認するサイクルが必須です。決して妥協せず、「ピッタリ」が実現できれば、そのバンドの演奏品質が格段と高いものになります。
「ピッタリ」が出来始めたら、音量の調整が必要となります。出だしの音は奏者は大きく出しがちです。しかしぴったりとタイミングが合うと数本のサックスの音量が重なって、必要以上に大きな音になりがちです。ぴったり合った出だしの音は、少し控えめに吹いたほうが、美しく、ハーモニーがより強調されます。
出だしの音とはフレーズブロックの最初の印象的な1音であり、フレーズの細かい音すべてを完全シンクロさせる必要はありません。フレーズによっては、多少ずれたほうがサウンドに立体感が出る場合もあります。じっくり研究してみてください。
出だしのシンクロと同様に、音の終わりのシンクロも重要です。キューを振るようなフェルマータや曲の最後ではなく、フレーズの区切りや途中の伸ばしの音でも、伸ばしの長さをぴったり合わせなくてはいけない音があります。
通常こういう「切り」は、譜面に-4や+4などと記載し、-4は「4拍目の始まる直前に止める」、+4は「4拍目の頭で止める」という記号です。このような細かい「伸ばしと止め」を、しっかりと打ち合わせて譜面に記載し、演奏時にぴったりと合わせます。
止め方も、mfの音量のままぴったり止めるのか、「ふっ」と消えるように「抜く」のか、長さのあるデクレッシェンドで消えていくのか、千差万別です。メンバー同士でディスカッションし、望みのサウンド実現のために最適な「アーティキュレーション」を共有することが重要です。
非常に細かいことですが、実は効果が絶大な練習があります。それは「ヴィブラートのピッチを揃える」です。ほとんどの奏者が、ナチュラルヴィブラート(意識しないでかけてしまうヴィブラート)を何の制御も無くかけてしまっています。
音の揺らぎ、ヴィブラートは、合奏では無意識でやってはいけません。必ずヴィブラートの周期(細かさ)と深さ(音の強弱の差)、そして出し方(奏法)をメンバー間の合意の上で統一し、それに従って音を出すようにすることが必要です。
ヴィブラートの統一されたサックスアンサンブルは、サウンドの美しさが格段に違います。是非お試しください。
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