サックス奏者は楽器の掃除が好きな人が多いようです。複雑なメカを持ち、調整も繊細なサックスは、管楽器の中でも最も掃除が難しい楽器です。
トランペットなどの金管楽器は、お湯を張ったバスタブに楽器を沈め、ジャブジャブと揺すって掃除をするひともいるくらい掃除が簡単なのに対し、サックスは細かい毛の生えた針金のモールで部品の隅を擦ったり、吸水ペーパーでパッドの水分を吹いたりと、細かいこと極まりません。
そんな面倒臭いサックスと付き合っているうちに、サックス奏者は楽器の掃除が好きになってしまうのでしょう。今日はサックスの部品の中でも、最も繊細な「マウスピース」の掃除についてお話します。
掃除好きなサックス奏者は、マウスピースもスワブやブラシで細かく掃除しようとするひとがいます。が、しかし、マウスピースにはそんな掃除は厳禁です。蛇口からの水道水を、マウスピースの外と中に「ジャー」っと流して洗う程度が適切です。
マウスピースブラシを通す?あれは金管楽器のマウスピース用のブラシです。絶対にサックスのマウスピースにブラシなど通さないでください。
スワブで水分除去?マウスピース用に専用に開発された、超柔らかい布製のスワブ以外は通さないでください。硬い布のスワブでマウスピース内部を何度も擦ってしまうと、細かい傷で表面の平滑度が変わり、サウンドや吹奏感が変わってしまう場合もあります。
マウスピースの性能の劣化を恐れて、「演奏後、マウスピースの掃除はしない」、としているサックス奏者は少なくありません。
サックスのマウスピースは非常に緻密に作られ、繊細に調整された部品です。内部の平滑度や曲面性が少し変化しただけで、息の流れ方が変わり、吹奏感もサウンドも変わってしまいます。
ハードラバーのマウスピースを直射日光の下にさらせば、紫外線によって変色するばかりか、内部の硬度にも変化が生じ、「鳴らないマウスピース」になってしまう場合もあります。ハードラバーマウスピースは、黒い布で包んで日差しを極力避ける、というのは決してやり過ぎではありません。
ハードラバー等の樹脂素材には、経年変化が裂けられませんし、メタル素材も金属の疲労と言う現象があります。従って「マウスピースは消耗品」です。ならば、なるべくその消耗を遅らせる、というのがマウスピースと付き合う「キモ」と考えてください。
マウスピースのケアをまとめてみましょう。「何もしない」もアリですが、柔らかい布で唾液を拭うくらいはしてください。唾液のタンパク成分が固まって、マウスピースの角や溝に固着すると、息の通り方が変わってしまいます。水道水で洗うのは面倒、というなら、純水99%のウェットティッシュでマウスピースの内外を軽く拭い、さっと乾かしてから仕舞ってください。
掃除をした後は、リガチャーとキャップを正しく装着し、廃棄リードを装着するなどして、先端に何も触れないように守ったうえで、光の透過性の低い布等で包み、冷暗所に保存します。
一般的にはサックスケースに仕舞うのが普通でしょうが、車のトランクなど高温になる場所に放置しないでください。サックスへのダメージもありますが、マウスピースへのダメージも少なくありません。マウスピースは「コワレモノ注意:FRAGILE」です。
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