サックスストラップは、サックスを吹くためには必須の道具です。両手では支えきれない重量のサックスを首から吊り下げ、両手の指をサックスのキー操作に専念できるようにする、という重要な役割を担っています。
かつては首当て、紐、スライダー、そしてフックという単純な部品からなるシンプルな構造でしたが、近年では様々な構造やデザインのサックスストラップが発売されています。悪くすれば頸椎ヘルニアを発症してしまう、首への重量負荷を軽減させたり、サックス吹奏時の呼吸姿勢を改善するためなど、サックスの演奏を快適にするための、様々な工夫がなされています。
そのなかでも最近主流になりつつある、左右の紐が平行に、真下に向いたストラップ、「平行スリング(吊り紐)」型のストラップについて考えてみましょう。
流行の先端、バードストラップ、平行スリングタイプの老舗、ブレステイキング、もしくは類似のデザインの「平行スリング」タイプのストラップは、「首への負担が少ない」、「吹奏時の呼吸が楽」等の理由で使用者が増えているようです。
襷(たすき)のようなハーネスタイプのストラップは、両方の肩でサックスの重量を支える構造をしており、首への負担が少ない分、構造が複雑で、取り付けるのが少々手間がかかるものが多いのに対し、「平行スリングタイプ」のストラップは、装着も簡単、長さの調整も容易、なのに首への荷重が少ない、と高評価を得ているようです。
しかし、良く考えてみてください。サックスの重さは同じなら、首へかかる重量は決して軽くなるわけではありません。ストラップの首当てから伸びた2本のスリングが作り出す、「Uの字」構造が、平行スリングタイプのストラップの重要ポイントです。
一般的なストラップはスリングが「Vの字」を作ります。このVによって首当てには「狭くなる」力が働きます。狭くなるという事は「締まる」ということです。首当てが締まると、首はなだらかな円錐を描いていますので、首当ては上にズレてきます。首当てが上にズレると、テコの原理で首への重量負荷が増えます。ストラップの首当てを、耳の裏側辺りまでずり上げて、サックスをぶら下げる姿を想像してください。かなり辛いです。
Uの字構造のスリングは、締まろうとしないので、首の下のほうで安定しています。これが平行スリングタイプの利点です。
仕組みは分かりました。重要なのは首当ての位置と安定性です。ですので、首への負担が少ない平行スリングタイプのストラップでも、装着のしかた如何で長所を活用できなくなる訳です。逆にV字スリングでも、首当ての位置を気にすれば、さほどの負担を感じないかもしれません。
ストラップの性能は、デザインの良し悪しだけでなく、使用のしかた、装着中の気づかいで、かなり変わってきてしまうという事です。ストラップ選びの参考にしていただければ幸いです。
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