花粉症の季節真っ只中です。アレルギーのような慢性の疾患は、サックスにはありませんが、ケガや病気はサックスでも無縁ではありません。調子が悪いときはサックスの病院、修理工房で診てもらい、適切な処置で「治して」もらう必要があります。
しかし厄介なのは、出て来た不調がサックスのせいなのか、奏者である自分のせいなのかに迷うところです。こんな時は即病院(修理工房か楽器屋さん)、という症状を解説します。
なんか音がこもる、抜けが悪い感じがする、そんなときはサックスの管体のどこかから、息が漏れている場合が考えられます。完全な状態のサックスは、しっかりと内部の空気柱の振動を受け止め、管体全体が振動して響きます。
音のこもりや抜けの悪さの原因を、自分の喉のコントロールや、リードの良し悪しと考える奏者がいますが、それらが原因であれば、吹き方を少し変えたり、リードを交換すれば治ります。そうでない場合は楽器の状態を疑いましょう。
しばらく吹いていると、抜けや響きが戻る場合が少なくないので、このような症状で病院行きを躊躇するのが「サックスあるある」ですが、簡単な修理で抜けや響きが戻った、も同じく「サックスあるある」です。サックスが原因か、自分が原因かはリペアマンが教えてくれますので、こんな場合は迷わず病院に行きましょう。
「音がひっくり返る」場合も、自分が悪いのかサックスが悪いのかを悩むケースです。確かにリードとマウスピース、そして自分の奏法が上手くマッチングしないと、「ピキッ、ピキッ」といういわゆるリードミスが多発し、ひっくり返った音が出ます。このあたりの見極めは、その現象の法則性で判断します。
「Gから上が時々ひっくり返る」、「特定の音の間の跳躍で裏返る」場合はほぼサックスの故障、あまり規則性の無い「ピキッ」であれば、リードのミスマッチが多いでしょう。柔らかいリードに替えてみて現象が収まらなければ、どこかのトーンホールから息が漏れていることが考えられるので、そのサックスは病院に行ったほうが良いでしょう。
ピッチが悪いのも、サックスの病気の場合が少なくありません。自分のアンブシャのコントロール能力不足を、演奏のピッチの悪さの原因と考える奏者が多いようですが、奏者自身が気付くほどのピッチの悪さは、明らかにサックスが原因です。チューナーを見ながら各音を吹いてみて、ズレが明らかなようでしたら、即病院行きです。
人間の病気は、寝不足や過労などの不摂生から体調を壊したり、無症状でも健康診断や人間ドックで発見されることもあります。サックスは不摂生しなくても、体調が悪くなるほど繊細です。そして病状は意外と複雑に現れます。
定期的なリペアマンによる調整が不可欠なのは、このようなサックスの繊細さからです。人間の病気と同じように、定期的な健康診断で、サックスの病気も未然に防ぐのが一番だと思います。
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