ド派手なピンクの髪型に奇抜な衣装、『みらくる星』からやってきた5歳という設定ながら、ゴリゴリのバップフレーズのアドリブを骨太のサウンドで吹きまくり、かたやファンキーでリズミカルなポップスもバッチリ決める、ジャズ/フュージョンサックスプレーヤー、作曲家、編曲家、そしてYouTuberでもあるユッコ・ミラー（本名：大西由希子）は、1990年12月25日三重県伊勢市に生まれました。
神道系の私立皇學館高等学校で、吹奏楽部に入部してアルトサックスを始めました。初めてサックスを吹いた瞬間に、「絶対、世界的に有名なプロになる！」、と思ったそうです。ジャズサックス奏者、エリック・マリエンサルの演奏を聴いて、この人に習いたいと思い、マリエンサルの大阪公演で彼を待ち伏せ、本人に直談判してレッスンを頼み込みました。それ以降、マリエンサルの来日時には、必ず個人レッスンを受けるようになったとのことです。
高校2年のときには、伊勢市でのグレン・ミラー・オーケストラ公演にサックスを持って観に行き、メンバーを出待ちしてサックスを吹きまりました。なんと演奏に感激したメンバーから、「僕たちのツアーに、君も明日から参加しないか」と誘われましたが、「学校があるので行けませーん」と断ったそうです。後年テレビ番組でその話をしたら、グレン・ミラー楽団の関係者が観ており、オーケストラとの共演の話がまとまったそうです。
また2015年のキャンディー・ダルファーの来日公演では、終演後のサイン会で演奏を披露したそうです。キャンディー本人に演奏を気に入られ、ブルーノート東京でのキャンディー・ダルファーのステージに、スペシャルゲストとして出演たというエピソードもあります。

積極性と実行力の塊であるユッコは、2016年9月キングレコードよりアルバム、『YUCCO MILLER』をリリースしメジャーデビューしました。2018年リリースの2ndアルバム『SAXONIC』は、JAZZ JAPAN AWARD 2018 アルバム・オブ・ジ・イヤー（ニュースター部門賞）を受賞ています。
ユッコの活動は海外にも及び、韓国やマレーシアなどの海外でのジャズフェスティバルにも出演するなど、世界的に高い評価を得ています。CM音楽の作曲や演奏、またアパレル・ブランドのPVに出演したり、モデルをしたりと、活動は演奏以外の多方面にも渡っています。
2018年からはYouTuberとしての活動も開始し、1年足らずで登録者は10万人を超え、現在では20万人超、総再生回数は1,500万再生回数を突破しています。

華奢（きゃしゃ）な身体にかかわらず、ユッコのサックスのサウンドはパワフルで骨太です。アドリブでもチャーリー・パーカーを彷彿させる超速バップフレーズを連発し、その音楽にも積極性が溢れています。
使用しているアルトはCannonball AVR-L “Vintage Reborn” Seriesで、マウスピースやリードはいくつかのものを演奏に応じて使い分けており、マウスピースはセルマー、メイヤー、ビーチラー、デュコフ、ゴッツ等、リードはバンドレンZZ、ダダリオJazz Select、ヘムケ等を使っています。

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