ジャズファンでなくてもその名を挙げるナベサダこと渡辺貞夫(89)は、アルトサックスの魅力を広く一般に知らしめた、誰もが認めるサックスレジェンドです。そしてその次世代を担ったのがMALTA(マルタ、本名:丸田良昭(まるたよしあき))ではないでしょうか。
独自のテイストのフュージョンミュージック系のサウンドで、ジャズファンだけでなく、多くの音楽ファンを虜にしました。その独特のサックスの音色と音楽観によって、「サックスによるジャズの概念を打ち壊し、独自の音楽世界を確立したエンターテイナー」、と言っても過言ではないでしょう。
MALTAは1949年9月19日、鳥取県倉吉市に生まれました。倉吉市立西中学校に入学後吹奏楽部入部し、13歳からサックスを吹き始めます。15歳で佐々木道也氏・山本力氏、17歳から阪口新氏に師事し、早くからプロを目指していました。
鳥取県立倉吉東高等学校を経て、東京芸術大学音楽学部器楽科に進み、1973年に卒業します。卒業と同時にボストンのバークリー音楽大学に留学し、本格的にジャズを学びました。在学中はジョー・ヴィオラ(wood winds)、ジョー・アラード(sax, cla)、チャーリー・マリアーノ(As)、フィル・ウッズ(As)等に師事しました。
バークリー音楽院卒業後、1年半同校の講師を務めた後、ニューヨークに進出します。デューク・エリントン楽団、チャールズ・ミンガス(b)、ジャック・マクダフ(org)等との共演を経験しキャリアを積み重ね、1979年、名門ライオネル・ハンプトン楽団に迎えられ、同バンドのリード・アルト兼コンサートマスターに就任しました。
1983年にはJVCからデビュー・アルバム『MALTA(1983)』を発表し、それまでの日本のジャズ・フュージョン系にないオリジナルなMALTAサウンドが高く評価され、TVCM等を中心にまたたくまにMALTAの名前を浸透させました。
アルバム『SPARKLING(1987)』では第1回日本ゴールドディスク大賞、The Best Album of the Year(ジャズ・フュージョン部門)を受賞し、その地位を揺るぎないものにしました。
通算45枚のアルバムと2冊の著書を発表し、京都芸術大学・京都芸術短期大学客員教授、東京コンセルヴァトアール尚美特別講師、大阪芸術大学客員教授、大阪芸術大学教授、東京藝術大学客員教授等の教育活動にも携わり、文化教育面にも力を注ぎ、後輩の育成やプロ・アマチュアを問わず、音楽の発展に尽力しています。
MALTAは、セルマーSA80にG♯キーのべたつきを無くすコンパルションG♯キーを付加し、かつプラチナメッキを施した自身のシグネチャーモデルを主に使用しています。マウスピースとリガチャーは、自ら開発に参加し2014年から販売している、「MALTA」ブランドのそれらを使用しています。
趣味に「音楽」と「サックスを吹くこと」を真っ先に挙げる72歳のMALTAは、まだまだ日本の音楽ファン、サックスファン達を楽しませてくれそうです。
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