テナータイタン(テナーの巨人)のひとりとして、現代のジャスシーンで活躍するベニー・ウォレス(Bennie Lee Wallace Jr.)は、1946年11月8日、テネシー州のチャタヌーガ生まれの75歳です。
地元イーストリッジ高校のスイングバンドで演奏しているのを、プロリードプレーヤーのビリー・ウッセルトンらに見出され、地元のクラブでの演奏を本格的に始めました。
テネシー大学に進学してクラリネットを学び、卒業後も引き続き地元で演奏活動をしていましたが、ジャマイカ出身のジャズピアニスト、モンティ・アレキサンダーに誘われて、1971年、25歳でジャズの本場、ニューヨークへ進出します。当初はモンティ・アレキサンダーのバンドに所属し、その後バリー・ハリス(pf)、バディ・リッチ(ds)、ダニー・リッチモンド(ds)らとの共演を実現しました。
ウォレスのテナーサウンドは、大きな影響を受けたというソニー・ロリンズとコールマン・ホーキンスらに似た、豪快でストレートなスタイルですが、孤高のピアニストセロニアス・モンクも敬愛しており、セロニアス・モンクのジャズ手法をピアノからテナーに置き換えたと言われる、豪放かつ大胆で個性的なフレーズでのブロウが彼の魅力です。
レコーディングデビューは1977年にスコット・ハミルトン(ts)、フリップ・フィリップス(ts)、レイ・ターナー(ts)らと録音した、『Tenor Sax Spectacular(1977)』です。その後1979年、ウォレスはファーストリーダーアルバム『The Fourteen Bar Blues (Enja, 1978)』をリリースし、一気に世界に名を知らしめるテナー奏者となりました。
絶大な賞賛を受けた彼は「ニューサックスジャイアント(新たなる大物サックス奏者)」と呼ばれ、音楽紙ニューヨーク・アーツ・ジャーナルでは、「エリック・ドルフィ、コールマン・ホーキンス以来の大物リードプレイヤー現る!」と大きく誉めたたえられました。
レコードレーベル、「Enja」のマティアス・ウィンケルマンとともに、その後もウォレスの荒々しい魅力が炸裂したアルバム、『Live at the Public Theater (Enja, 1978)』、『The Free Will (Enja, 1980)』、『Bennie Wallace Plays Monk (Enja, 1981)』、『The Bennie Wallace Trio & Chick Corea (Enja, 1982)』、『Big Jim’s Tango (Enja, 1983)』、『Sweeping Through the City (Enja, 1984)』と立て続けに発表します。
1985年には復活したブルーノートレーベルで、アルバム『Twilight Time (Blue Note, 1985)』をレコーディングしました。1988年にはケビン・コスナー主演でマイナーリーグの球団ダーラム・ブルズを舞台とした映画、「Bull Durham(邦題::さよならゲーム)」の音楽を手がけるなど幅広い活動をおこなっています。
ウォレスの楽器は、ヴィンテージセルマーMark VIにマウスピースはフロリダオットーリンクのSuper Tone Master。リードはアレキサンダーの「Superial」か「DC」です。やや中腰で、くねくねと揺れながら演奏する独特の演奏スタイルも有名です。
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