ジャズ、ソウル、R&B、ロックと、多岐に渡る音楽ジャンルで偉大な業績を残したサックス奏者、キング・カーティス(本名:Curtis Ousley)は、1934年2月7日、アメリカのテキサス州フォートワースに生まれました。
14才の時にはバンドを結成し、ダンスパーティなどで演奏しており、ハイスクールでは2年先輩のオーネット・コールマンと共にサックスを練習したそうです。10代後半にニューヨークに渡り、スタジオミュージシャンとしての活動を開始しました。
1962年発表のリーダーアルバム、『Soul Twist』はビルボード誌のポップチャートで17位、R&Bシングルチャートで1位を記録しています。その後も『ソウル・セレナーデ(1964)』がポップチャートで51位、R&Bチャートで20位になるなど活躍を続け、1965年にはメジャーレーベルのアトランティックと専属契約を結びました。
カーティスと言えばまず浮かぶのが、看板アーティスとしてグレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインを抱えたロックの聖地、サンフランシスコのライブハウス、フィルモア・ウェストにアレサ・フランクリンのバックバンドとして出演したときの、バンドのアレサ抜きのインスト・グループとしての演奏を収めたアルバム、『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト(1971)』のご機嫌な演奏でしょう。
コーネル・デュプリー(g)、ジェリー・ジェモット(b)、バーナード・パーディ(ds)ら、達人ミュージシャンたちとともに生み出す極上のグルーヴサウンドは、当時の音楽ファンを熱狂させました。収録さ9曲のうち、鳥肌モノの「Memphis Soul Stew」が1曲目に収められており、7分以上の白熱したプレイが繰り広げられます。
他にはプロコル・ハルムの大ヒット曲、「青い影(原題:A Whiter Shade Of Pale)」、レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を(原題:Whole Lotta Love)」、スティービー・ワンダーの「涙をとどけて(原題:Signed, Sealed, Delivered I’m Yours)」など、アメリカンポップス志向の選曲がなされており、当時黒人アーティストがカントリーやロックの曲を演奏すること自体がかなり珍く、そのおかげで多くの音楽ファンがこのアルバムを聴くことになり、広く評価を受けることになりました。
日本で活躍したムードテナーの帝王、サム・テーラーはカーティスと深い親交があり、目指す音楽性も似ていました。雑多なジャンルを自分のものにしてしまうカーティスのスタイルは、「アメリカのサム・テーラー」と呼んでも良いのかもしれません。
フィルモアウェストでのライブの4か月後、1971年7月にはジョン・レノンのアルバム『イマジン』の録音に参加し、「イッツ・ソー・ハード」と「兵隊にはなりたくない」の2曲でサックス・ソロを聴かせています。しかしその直後、1971年8月、ニューヨークの自宅アパートメント前にて麻薬中毒者と口論になり、ナイフで刺され、そのまま搬送先の病院で死亡しました。
カーティスのサックスは、リズミックなフレージングと強いアタックが特徴です。リズミックなアプローチは圧倒的で凄まじく、そのリズムは体の中から湧き上がる、野性的な叫びのようでした。
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