貴方はマウスピースを何本お持ちですか?「口はひとつ。マウスピースは一本で充分」とおっしゃるサックス奏者も大勢いますし、「色んなマウスピースを試してたら、結局20本は持ってるかな?」なんて方も珍しくはありません。サックス奏者は何本くらい、マウスピースを持っているべきなのでしょうか。
一般的なアドバイスとしては、「いつも吹いているマウスピースに加え、即戦力のマウスピースを一本は追加で楽器ケースに入れておきたい」、というところでしょうか。マウスピースはとてもデリケートなサックスパーツなので、落としたり、先端をどこかにぶつけただけで、まったく音が出なくなってしまうことがあります。本番直前のステージの袖で、キャップをし忘れたマウスピースが壁に触れ、先端が欠けて音が出なくなった、なんて話は決してレアケースではありません。
そんな事故に備えるため、多くのサックス奏者は、バックアップ用のマウスピースとリードを携帯してステージに上がります。それを実現するには、少なくとも複数のマウスピースは所有していなければなりません。しかも、本番に使える慣れ親しんだマウスピースを、です。
演奏の品質に対し、非常に厳しい管理をしているプロのサックス奏者の中には、「どんな良質なヴィンテージマウスピースでも、まったく同じものが手に入りづらい、という意味で積極的には使用しない。」というひともいます。現行のマウスピースであれば、製造工程も均質で、まったく同じ性能のものが比較的容易に手に入るため、バックアップ用のマウスピースの確保がし易い、ということだそうです。サックス演奏を仕事にする、ということは、そういう発想も必要なのですね。
「スペア」は「ほとんど同じもの」の場合もあれば、異なるサウンドのマウスピースをスペアとする場合もあります。演奏する音楽のジャンルによって、そのジャンルに合ったサウンドを出せるマウスピースを使用するわけです。
ビッグバンドのリードアルトを担当する場合と、ジャズの小編成コンボでソリストとして演奏する場合は、違うマウスピースを使用する、というアルトサックス奏者は珍しくはありません。求められる、また出したいサウンドに応じて、複数のマウスピースを使い分けるという事は、サックス奏者の一般的なサウンドコントロールの一手法です。
また完全なサウンド傾向の区別ではなく、演奏の経験を積んでいくうちに奏者の嗜好が変化し、それにふさわしいマウスピースの探求をしていくというのも、サックス奏者の一般的な傾向です。世間の評判や仲間の意見、メーカーの広告などから新しいマウスピースの試奏をし、気に入って購入。そしてそれを何度も繰り返すのが、サックス奏者の性(さが)と言えるでしょう。古いマウスピースを処分しようとはなかなか思えず、ついつい「溜まって」しまいます。使わないのに所有しているのは、「また、これに戻るかも」という未練に他なりません。
色々なマウスピースを試し、自分のサウンドを追求、改造していくのは一般的な「サックス修行」です。乗り換えたからといって、古いマウスピースをすぐに処分する必要もないでしょう。ドンピシャに気に入ったマウスピースと巡り合えたら、まったく同じ性能と吹奏感のものを、控えとしてキープするのも良いでしょう。と言う訳で、マウスピースは複数持っておくのが得策のようですね。
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