ダイナミズムと巧さが共存し、調性から外れたアウトフレーズすら巧みにコントロールする、「チャーリー・パーカーに次いで、ジャズのジャンルで最も称賛されるべきアルトサックス奏者」、とさえ評されたアルト奏者、ケニー・ギャレットは1960年ミシガン州デトロイトで生まれました。
1978年に18歳でマーサー・エリントン率いるデューク・エリントン・オーケストラに参加し、その後、フレディ・ハバード、ウディ・ショウ、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィスなど、ジャズの歴史に残る巨匠たちのグループを経験し、現代の最高峰のサックスプレーヤーのひとりとして活躍しています。
ジョン・コルトレーンの影響を汲んだスピリチュアルなプレイから、ラップまでを取り込んだダンサブルなサウンドまで、多様な音楽ジャンルを自分のものとして取り込んでしまう、幅広い柔軟性を持った音楽家として知られ、演奏と作曲ばかりでなく、教育者や音楽プロデューサーとしても、多様な活動をおこなっています。
ギャレットのキャリアの中で特筆すべきひとつは、デビュー作『Introducing Kenny Garrett(1984)』のリリースのわずか2年後に、マイルス・デイヴィスに見込まれ、彼のバンドに参加したことでしょう。
マイルスが死去するまでの約5年間バンドに在籍しましたが、このマイルス最後のバンドの演奏は、マイルスの死後にリリースされた、1988年から1991年にかけて、世界各地のライブからの名演を抜粋したアルバム、『Live Around the World(1996)』で聴くことができ、ギャレットがいかにマイルスの音楽を理解し、溶け込み、自分のものとして昇華させていた、重要なプレーヤーであったかがうかがえます。
マイルスの死によってバンドは消滅しましたが、ギャレットはマイルスの不在を埋めるかのように多様な活動を繰り広げ、彼の元には多くの有能なプレイヤーが集まり、かつてマイルスがしたように育てています。ギャレットの最新作、『Do Your Dance!(1916)』は、新しい世代のジャズの影響も感じられる、「ダンス」を意識した内容で、ブラジル音楽やインド音楽など、スケールの大きな音楽世界を繰り広げています。
ギャレットは2011年、マサチューセッツ州ボストンのバークリー音楽大学から名誉音楽博士号を授与されたほか、スタジオ・アルバム『Seeds from the Underground(2012)』でソウルトレイン・アワードにノミネート、同年最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム部門と最優秀インプロヴァイズド・ジャズ・ソロ部門でグラミー賞にノミネート、最優秀ジャズアルバム部門で全米黒人地位向上協会(NAACP)イメージアワードにノミネート、また翌2013年、はサックス奏者・オブ・ザ・イヤー部門にてエコー賞を受賞したりと、輝かしい実績を上げています。
彼のサックスは、ソプラノ、アルトともヴィンテージセルマーMark VI。マウスピースはどちらもセルマーソロイストで、アルトサックスのお手本と言えるような、まろやかかつ力強い音色です。
——————————————————————————————–
⇒『 AIZENより Summerキャンペーン♪ 返品保証30日+豪華3大特典付き』
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』
この記事へのコメントはありません。