奏者へのサックスの重量負荷を軽減するため、アイデアを凝らした多くのストラップが出回っています。
首当ての形状で首の負担を軽減するもの、ハーネス型を採用し肩で重量を支えるもの、幅広なスライダーで首の締め付けを避けるもの等々、本当に沢山の種類のストラップが、現代のサックス奏者の選択肢になっています。サックスストラップと演奏姿勢の関係について考えてみます。
まずはストラップの重量分散能力についての分析です。
サックスの重さの目安としては、ソプラノで1kg、アルトで2.3kg、テナーが3.6kg、一番重いバリトンで6.5kgというところです。テナーでは3.6kg程がストラップの紐で二分され、左右に1.8kgずつ首当ての両端に掛かり、その重さは首当てに触れる首の後ろの部分で平均して分散されます。長めの紐の両端に2リットルのペットボトルを結び、その紐をクビに掛ける、そんなイメージでしょうか。体を垂直に立てていればこの重さはさほどではないでしょう。しかし前屈みになれば、どんどんペットボトルの重さが首に掛かって来ます。更に深く屈めば、腰にまで負担がかかって来るでしょう。
ストラップを介したサックスの重量の影響は、奏者の演奏姿勢によって変わり、かつ首の太さや長さなど、奏者の体形にも左右されます。ごく普通のベルト型ストラップでも、首へ巻き付ける位置や背中の角度によって、苦労無くサックスを演奏出来るか、また頚椎ヘルニアのような重度な首の障害を生じてしまうかが分かれてしまいます。どんな優秀なストラップでも、正しく装着し、正しい姿勢でサックスを演奏しなくては、 サックスの重量の影響を提言することは出来ません。
次はサックス演奏時の姿勢です。サックス演奏の正しい姿勢とは、奏者の呼吸系の機能を圧迫せず、適切な息のコントロールと指の操作ができる状態です。力を抜いて直立し、ほんの少し前傾姿勢になった状態で、サックスに真っ直ぐ息が吹き込めるよう、首とあごの角度を保てるようにしましょう。
首が曲がってしまったり、体が左右に傾くのはあまり良くありません。とは言えその姿勢で微動だにせず、演奏行為を続けるのは至難の業です。そう、サックスの演奏には体を動かすことも不可欠です。ならばその動きが、「正しい姿勢」の許容範囲内に入っていることも大事です。
「サックス演奏の正しい姿勢」からストラップの機能を考えると、ストラップの役割は、「奏者の演奏姿勢の自由度を拡張するための道具」と考えることが出来ます。今使っているストラップで、自分に合った演奏姿勢を色々と試してみてください。
またストラップの装着の状態を、詳細に渡って試行錯誤し、気持ち良く、サックスに良い音を出させることの出来るセッティングを探してみてください。ストラップはサックスと奏者の間に、完全な一体感を実現するためツールです。
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