スタイリッシュなサックス奏者、と言えば誰を思い浮かべますか?デビッド・サンボーン?メイシオ・パーカ ー?伊東たけし?マイケル・ブレッカー?1970年代、スタイリッシュなサックス奏者と言えば、このひと、トム・スコット(Thomas Wright Scott)でした。
トムは1948年5月19日、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれた、ウェスト・コースト・ジャズ、フュージョンを代表するサックス奏者であり、作曲家、編曲家、音楽監督です。父親のネイザン・スコットは850以上のテレビ番組と、100 以上の映画音楽を手掛けた、著名な作曲家であり編曲家です。トムはジャズアンサンブルのネオテリックトリオのリーダーとして、十代の頃からプロ活動を開始しており、その後セッションミュージシャンとして活動しながら、テレビ番組『スタースキー&ハッチ(1975-1979)』や 『サンフランシスコ捜査線(1972-1977)』の主題歌も作曲しています。
1973年に「LAエクスプレス」を結成し、アルバム『Tom Scott and The L.A. Express』 を発表し、大ヒットさせました。このとき、トム・スコットの名が世界中に知れ渡ったと言えるでしょう。
1974年には、ジョージ・ハリスンとジョニー・ミッチェルのツアーに参加し、1975年にはポール・マッカートニーのシングル「あの娘におせっかい」の間奏でソロを取っています。ジャズのみならず、ロックやポップスの分野にも広く活動の場所を持ち、ホイットニー・ヒューストン、バーブラ・ストライサンド、スティーリー・ダンやクインシー・ジョーンズ等とも共演しています。
1982年にマイケル・ジャクソンがリリースしたアルバム『スリラー』の中の曲、「ビリー・ジーン」では、当時先端の電子管楽器、リリコンを演奏しています。1992年にはGRP創設10周年記念として結成された、「あの」GRPオールスタービッグバンドに参加しています。
トムの幅広い音楽活動の中では、1996年の第68回アカデミー賞授賞式や、1996年から2007年までのエミー賞テレビ放送の音楽監督も特筆できるものでしょう。 トム自身、13回グラミー賞にノミネートされており、3度も受賞しています。2008年6月に起きた米ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでの火災で、ユニバーサル・スタジオに保管されていた膨大なマスターテープが失われ、その中にはトム・スコットの音源マスターも多数含まれていたと報道されましたが、真偽のほどは不明です。
トム・スコットはテナーサックスをメインに、アルト、ソプラノ、バリトン、フルート、リリコン、EWIを吹きますが、スタイルはあくまでストレートでメロディアスな正統派です。楽器にこだわりは少ないようで、2009年の東京でのクリニックでは、直前に試奏して気に入った、ヤマハYAS-82ZWSを使用したそうです。マウスピースはかなり初期から、デイヴ・ガーデラStudio Modelを使用しているようです。
ジョン・コルトレーンのスタイルに大きく影響を受けており、トムの演奏をじっくり聞くと、「あれ、コルトレーンフレーズじゃん」という場面に、まれに出くわします。若い頃より少しふっくらしましたが、72歳になる今でも、バリバリの現役です。
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こんにちは。ブログを楽しく読ませて頂いています。
Diane Schuurの「Louisiana Sunday Afternoon」のサックスの音が好きで調べたところ、トム・スコットの演奏らしいと知りました。
アルトだと思いますが、セッティングをご存知でしょうか?