コロナ禍の状態が続き、緊急事態宣言も3度目が発令した昨今、「ステイホーム」を心がける人々の間で、楽器を新規に始める方が増えているそうです。
一番人気はギターとの事ですが、サックスもなかなかの人気で、巣ごもり組の「ちょっと、やってみようかな」というニーズに対し、一流メーカーの本格派サックスよりも、ネット通販等の「激安サックス」に注目が集まっているようです。
ネットを探してみると、なんとアルトサックス本体とセミハードケースに、リード、ストラップ、クロス、マウスピース、コルクグリス等の小物もろもろが付属し、驚きの23,330円、という商品がいくつか見つかりました。ちょっと前までは、安いと言ってもアルトで5万円前後でしたが、2万円台前半は凄いですね。ヤマハやヤナギサワの初心者向けは14万円ほどですし、セルマーの入門モデルは40万前後です。
いったいどうやったらこんなに安いサックスが出来るんでしょう。嬉しいことに、ネット時代の今では多くのYouTuber やブロガーが、沢山の種類のサックスや関連小物の品質をレビューしてくれており、激安サックスも例外ではありません。激安サックスの良い点、悪い点を、微に入り細に入りリポートしてくれています。
良い点はズバリ、価格が安い事です。そして悪い点は…。ほとんどのリポートが、「まともに音が出ない」とコメントしています。
あるリポートでは、「キーガードの形が歪んでおり、レ#のキーのパッドが開かない」と報告していました。歪んだキーガードを外し、キーを開くようにして吹いても、「かろうじて全部の音は出るが、音程も悪いし、何ヶ所も息漏れがあるようだ」とのことです。しかし多くのリポートで、「見た目はまとも。キーのタッチも硬いが動く。限られた音なら普通に鳴る。」という評価も少なくありません。激安サックスでも楽器は楽器、製品は製品、設計や基本生産技術はある程度のレベルなのではないでしょうか。
あまり参考にならない例ですが、サックスの構造を熟知し、リペアも自前でやってしまうサックスプレーヤーの友人が、激安サックスのまともな楽器への改造を試みてみたそうです。サックスを分解し、部品の形状を矯正し、必要があれば改造し、曲がったシャフトは交換し、バネも焼き入れし直し、パッドもカップに接着し直し、トーンホールのファイリング(パッドに接する縁の平坦度の調整)もやり直し、これならどうか、というサックスに仕上げたそうです。
それで出来たサックスでしたが、各音の音程に多少難があり、使用ーヶ月で部品が歪んで息漏れを起こす、というサックスにしかならなかったそうです。かけた労力とコストには、まったく見合わないものでした。これが激安サックスの本質なのかもしれません。
激安サックスを買うなとは言いません。売っている方の邪魔をする気はありません。当たりの楽器もあります。ただし、激安サックスにはリスクが伴います。ちょっとサックスというものに触れてみたい。気に入ったらちゃんとした楽器に買い替える。サックスを吹いている気分を味わいたい。そんなニーズには問題無いかもしれません。
ただし例え最初のサックスでも、長く付き合おうと思っているのなら、「信用できるメーカーの、ある程度の値段のサックスを買ったほうが良い」、というのはある程度の真理のようです。
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