最近は軽いのやら、丈夫なのやら、カッコ良いのやらと、なかなかと迷ってしまうほど、サックスケースは沢山の種類が出回っています。今日はそんなケースすべてに必要な共通部品、「ベルト」について考えてみましょう。
ケースに付属のベルトは、あまり古い歴史を持ったものではありません。かなり長い間、サックスのケースは木製の四角いハードケースが唯一だったため、「肩に掛ける」とか「背負う」という、ベルトが必要な発想がありませんでした。革製のソフトケースが出現した際も、手で提げる持ち手のみで、「肩掛けベルト」のニーズは無かったようです。
そもそも、今はどのケースにも付属で付いているベルトの素材、ナイロン編み込みの平型ベルトは、軍用のベルトや銃のスリング用に発達してきたものです。有名なNATOベルト(またはNATOストラップ)は、もともと英国国防省が戦時用に開発し、1973年に採用が始まった腕時計用のナイロン製ベルトです。それが映画『007シリーズ』の主人公、ジェームズ・ボンドの腕時計に使われたことで、世の中に急速に広まったそうです。サックスケースのベルト素材として、ナイロンベルトが当たり前になったのは、きっとそれ以降の事でしょう。
ベルトの本体のナイロンベルトは、さすが軍用、切れたという話は聞いたことがありませんが、金具に至っては悲しい話が無くなることはないようです。
「D管(ベルトとフックを繋ぐ金具)とフックの接続部分が壊れた」とか、「フックの外れ止めが破損して、ケースから外れた」などの、ケースごとサックスを床に落とす結果をもたらす金具の破損が、ほんのたまにあるようです。そんな事故を防ぐために、多くのサックスオーナーは、ベルトとサックスケースの金具を、結東バンド(インシュロック)で繋いでいます。
ベルトフックとサックスケース側金具を、結東バンドで止めている方をたまに見ますが、これは間違いです。D管の破損時には、この結東バンドでは何の役もしてくれません。必ずベルトに付いたD管とケース側金具を、結束バンドで繋いでください。これで初めて「安全装置」の役割を果たします。
しかしこの場合、取り回しをスムーズにさせるには、結東バンドの輪の長さがかなり長いものになります。結束バンドは「締める・緩まない」機能は強いのですが、「断裂」にはあまり強度は期待できません。急に金具が破損して、セーフティである結東バンドに瞬間に重さがかかった場合は、意外と簡単に千切れてしまいます。
これを防ぐには、ある程度の太さのある結束バンドを使うか、高い強度の編込みスチールワイヤをネジで連結した、スチールワイヤリング等を使ってください。ガチャガチャとうるさい音がしそうですが、登山用のカラピナでD管とケース金具を繋いでいるサックス奏者もいます。また登山用の細身のロープを使って、もやい結びでケースとベルトを繋いでいる方もいるようです。見た目はかなり「強面」ですが、安全性はきっと高いのでしょう。
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