1950年代からファンキー・ジャズ・ブームの立役者として活躍し、洗練された作曲・編曲の才でも評価の高いテナーサックス奏者、ベニー・ゴルソンは、1929年1月25日、ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれました。
92歳になった現在でも、バリバリの現役です。つい1年半前の2019年 6月にも、自己のカルテットを率いて来日し、圧倒的な演奏を聴かせてくれました。
恵まれた音楽家の家系で育ったゴルソンは、高校在学中から音楽活動を開始し、大学卒業後は世界的に有名なベニー・グッドマン、ディジー・ガレスピー、ライオネル・ハンプトン、アール・ボスティック、アート・ブレイキーらのバンドで演奏の経験を積みました。
ハンプトンやガレスピーのバンドでは作・編曲者としても活動し、ビッグバンド向けのモダンな作・編曲スタイルを披露しました。また彼が作曲した『Killer Joe』、『Along Came Betty』、『Stablemates』、『Whisper Not』、『Blues March』、『Five Spot After Dark』、『Are You Real?』などのナンバーは早くからジャズ界のスタンダードとなっています。
親友であった天才トランペッター、クリフォード・ブラウンが、1956年にわずか25歳で自動車事故死した際、深い追悼の意を込めてゴルソンが作った『クリフォー ドの想い出(I Remember Clifford)』はジャズの名スタンダード曲として、今も多くのミュージシャンに演奏されています。
ゴルソンは自身名義のリーダーアルバムを30枚以上録音しており、作曲家としても300曲以上の作品を書いています。また、『鬼警部アイアンサイド』、『マッシュM*A*S*H』、『マニックス』、『ミッション・インポッシブルシリーズ』、『パートリッジ・ファミリー』等、大ヒットしたテレビシリーズや映画の音楽も担当しています。
2004年のスティーヴン・スピルバーグ監督の映画、『ターミナル』において、ジャズ・プレイヤーのベニー・ゴルソン自身として出演もしています。
ゴルソンは自宅をドイツ、ロサンゼルス、ニューヨークの3カ所に持っており、演奏会場に近い自宅から、それぞれに置いたサックスを調達するそうです。
なかでもニューヨークに置いてあるテナーサックスが、彼の一番のお気に入り、セルマーのスーパー・バランスド・アクション(SBA)の初期モデルです。そのSBAはニューヨークのリペアマンに依頼してリラッカーを施し、その際にベルの上部に「Benny Golson」の花文字を彫刻しています。
ドイツの自宅にも別のSBAがスタンバイしており、またロサンゼルスの自宅にはセルマーのリファレンス36が置いてあるそうです。本人日く、「車の乗り心地で例えるとリファレンス36はロールス・ロイスで、SBAはメルセデス・ベンツだ」との事です。
マウスピースは特注のオットーリンク10番、リードも特注のリコ6番と超ハードなセッティングですが、柔らかかつ重厚なサブトーンとビブラートのコントロールは非常に繊細です。
今も毎日ロングトーンの練習を欠かさないと言うベニー・ゴルソンですが、「本物のジャズのあの頃の音」 を生で聴かせてくれるのは、もう彼だけなのかもしれません。
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