元祖ファンキーサックス姉さん、キャンディ・ダルファー(Candy Dulfer)は1969年9月19日、オランダはアムステルダム生まれのアルトサックス奏者です。
ステージでノリノリのファンクテナーを吹きまくる事で有名な、父ハンス・ダルファー(芸名:ダルファー)の影響で、5歳でドラムを始め、6歳よりソプラノサックスを吹き始めています。
7歳のときアルトサックスに切り替え、アムステルダム郊外のザイデルワウデの地元のコンサートバンドで演奏を始めました。11歳になるとキャンディは父のバンド 『De Perikels (The Perils)』に参加し、父と一緒にステージで最初のソロを演奏します。バンドへの参加間もなくキャンディは、『De Perikels』のアルバム「I Didn’t Ask (1981))で最初のレコーディングを経験します。
1982年、12歳のときには、世界の超大物ジャズプレーヤーが集まるノースシー・ジャズフェスティバルで、ローザ・キング・ビッグバンドのメンバーとして演奏しています。 キャンディ日く、キングは彼女の個性を評価し、バンドリーダーになることを強く勧めたそうで、1984年14歳で、キャンディはバンド『Funky Stuff』を始めることとなり、多くのメディアから注目を集めるようになります。早熟ですね。
キャンディのバンド『Funky Stuff』はヨーロッパ全土で人気を博し、1987年にはマドンナのヨーロッパコンサートのオープニングアクトを務めました。1988年にはプリンスのヨーロッパツアーに参加し、1989年にはプリンスのMV「Partyman」にも出演しています。
1990年、ファーストアルバム『サクシュアリティ(Saxuality)』を発表し、米国ビルボード誌のトップコンテンポラリージャズアルバムチャートで4位を記録し、グラミー賞にノミネートされました。1993年発表の『サックス・ア・ゴー・ゴー (Sax-A-Go-Go)』にはメイシオ・パーカーやタワー・オブ・パワーのメンバーらも参加しています。
2001年には、デュエットアルバム『ダルファー・ダルファー』で父親のハンス・ダルファーとコラボレーションしました。2017年の秋、自伝「Sax, Candy & rock-‘n-roll」(オランダ語のみ)をリリースし、これまでの音楽とのストーリーを自分の言葉で語っています。51歳にして、いまだにステージ狭しと吹きまくり、踊りまくる、ファンキーサックスの女王です。
2000年代初期まで、キャンディはセルマーMark VIのアルトを使用していましたが、スイス製のハンドメイドサックス、インダービネンを使用するようになりました。そして2010年からは、元分子生物学者であるフリソ・ハイティンハが始めたアムステルダム・ウインド社製の、『Free Wind Alto Sax』を使用しています。
マウスピースは『Sax Point』 というカスタムマウスピース工房製のオリジナルで、製品化されていない非売品です。リバイユとデュコフの良いとこ取りを狙った、リンク9番くらいの開きのプロフェッショナル仕様だそうです。リードはバンドレンZZの2半、サックスシンセEWI-5000もステージで多用しています。
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