今の流行のサックスストラップと言えば、まだら模様の丈夫な紐状スリングとか、T型スライダーとかクッション付きの首当てとか、加えて派手なデザインとかの傾向が主流のようです。体に負担をかけない、タスキの様に使うハーネスタイプのストラップも人気があるようです。しかし、そんな多様化したストラップ事情のなかで、「やっぱりストラップはこれ」と言われる銘品が存在します。とっくに生産中止になっているのに、40歳代以降のおじさんサックス奏者に人気のストラップ、「旧型レイハイマンストラップ」です。
このストラップ、見た目は現行の「レイハイマン・スリムライン・ストラップ」とほとんど同じです。現行品レイハイマン・スリムライン・ストラップは、幅が15mmほどの丈夫なナイロンベルト製で、首当ては無し、フックはプラスチック製で、小さなボックス型のスライダーで長さを調整します。現在色は黒モデルのみのようです。細身でコンパクトなので非常に小さく畳めます。サックス演奏時にもあまり目立ちません。首当てがないので、Tシャツなどの軽装では首の肌にベルトが食い込み気味になりますが、ワイシャツに上着、またはタキシードなどの「正装の演奏」では全く問題はありません。むしろ着けていることを忘れるほど体に馴染みます。ストラップは目立たずに、最高の仕事をしてくれれば良い、というサックスプレーヤーには「どんぴしゃ」のストラップなのです。そして今ではなかなか入手できない旧型のレイハイマンストラップには、現行以上の付加価値があります。まずーつ目はその色。旧型は「白」が主流でした。昔のジャズサックス奏者は「正装」での仕事が多く、タキシードやジャケット&タイで演奏しました。なので、白くて細いストラップは、それらの衣装にドンピシャだったのです。またスライダーのメカニズムも現行と異なります。現行品は重なったベルトが二重になってストラップフックを支えますが、旧型は二本のベルトが別々に、二つのループでフックを支える構造になっています。強度や安定性、調整のし易さは現行品と大差ないのですが、楽器の持ち替えなどで頻繁に、ストラップからサックスを外したり付けたりするビッグバンドのサックス奏者には、その長さの安定性に絶大な評価を得ています。またフックも現行品より丸みを帯びており、リングから外れ難くなっていました。もちろん現行品は旧型の「改良版」ですので、機能的に決して劣るものではありません。しかし旧型をいまだに愛し、使用し続け、希少な中古品を探している人も少なからずいるようです。ちなみにT-SQUAREの伊東たけし氏の「レイハイマン好き」は伝説になっているほど有名です。若いころの伊東氏は、「旧型のレイハイマンの白」を愛用しており、ちょっと白がくすんでくると新品に交換したそうです。おかげで友人のサックス奏者たちの多くは、「ちょっとくすんだ白のレイハイマン」をお下がりで使っていたという噂です。
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こんばんは。
僕もジャッキーマクリーン好きですけど、ストラップの話とリンクし間違えでしょうか?