飛びぬけてMCの上手いサックス奏者で、見た目もお酒落、ライブも底抜けに楽しい豪華なエンターテイメントになっており、歴史ある「プレイボーイ・ジャズ・フェスティバル」にもMCで登場したり、 ラジオ番組のパーソナリティを務めたりと、とにかくその才能の幅広さに驚かされます。そんなサックス奏者であり、スムースジャズ界の頂点に立つディヴ・コーズ(Dave Koz)は、1963年カリフォルニア州ロサンゼルス生まれのユダヤ系アメリカ人です。ディヴはUCLA卒業後、AOR(Adult-oriented Rock:大人向けロック)の大物シンガー、ボビー・コールドウェルに出会い、サックス奏者としてのキャリアをスタートさせました。リッピントンズやトム・スコットのバンドで名を上げ、フュージョン系のファースト・コール・ミュージシャンとして活躍しました。1990年、名門キャピトルレコードからデビュー・アルバム『Dave Koz』をリリースし、1994年には自らがパーソナリティのラジオ番組をスタートさせ、大人気番組とさせてしまいます。6度のグラミー賞候補歴を持ち、スムースジャズの世界で揺るぎない地位を確立している超人気のサックス奏者です。
数小節ほど聞いただけで、「ディヴ・コーズの演奏だ!」と分かってしまうほどの彼の個性は、あくまで甘く、軽やかで、抒情的なサウンドとメロディです。こんなフュージョン畑を代表する彼も、アイドルはデヴィッド・サンボーンやスタン・ゲッツ、そしてチャーリー・パーカーやソニー・ロリンズだそうです。「スタン・ゲッツは、ソロのアドリブがすばらしい演奏家だよね。彼のソロは、たとえアドリブで演奏しても、ちゃんと美しいメロディになっている。そういうところが僕にとって一番大切なことだと思っているんだ」、とインタビューで答えています。スムースジャズの事を、「高度にプログラミングされた、 放送用のBGM」と評するひとがいますが、やはり音楽性の原点はメロディの斬新さと美しさなのでしょう。
ディヴ・コーズはソプラノからバリトンまで、ほとんどのサックスを吹きこなします。使用楽器は、ソプラノはCONNカーブド・ソプラノのニッケル・プレート、マウスピースはボビーデュコフ#8。アルトサックスはヤマハYAS-62シルバープレートにビーチラー・メタルマウスピース#4、テナーはセルマーマークVIの11万番台で、マウスピースはベルグラーセンのハードラバー90/2。バリトンはヤマハのYBS-62を使用しています。リードはどの楽器でもRICOのPlasticover を使っています。このリードは選定された天然リードに樹脂コーティングを施して、強度と耐久性を向上させたものです。半人工リードと呼ばれ、ウォーミングアップの必要がありません。シャープで鋭いトーンがロック、フュージョン系プレイヤーに人気で、耐久性がありパワフルなサウンドです。
ディヴ・コーズのオフィシャルサイトには、なんと、「ディヴ・コーズ・クルーズ」の案内があります。 ディヴ・コーズと彼のバンドと一緒に、オランダー/イギリス/アイルランドを周る、8日間の豪華客船の旅です。ちなみに2020年の全クルーズは既に売り切れです。うーん、やっぱカッコ良いですね。
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