「ピッチが合っていない」とか、「この楽器はピッチが悪い」とか、楽器奏者はなにかと「ピッチ」という単語を多用します。英語のPitchは、ピッチャーという言葉に使っている「投げる」という意味のような、「設定する」とか「調整する」とかの動詞的意味、また「間隔」や「角度」、「周波数」などの名詞的意味を持っています。楽器演奏における「ピッチが合っていない」とは、「何かに対して音の周波数が同じでない」 という意味で周波数について話しており、「この楽器はピッチが悪い」は、音の高さ視点で各音の「音程」が悪い、つまりドとレ、レとミの音の高低差がスケールに対して外れているという事でしょう。何にせよ、我々楽器奏者はなにかと「ピッチ」で色々と文句を言われます。色々なケースでの、ピッチの直し方を考えましょう。
合奏中に他のメンバーから「ピッチ、合ってないよ」とか「ピッチ、やばいよ」と言われたら、あなたが演奏している音が、あるべき高さより低いか高いかの、「音痴」状態になっています。サックスは基本、 細かい音程のコントロールはアンブシャでおこないますので、「自分がピッチの狂いに気づいていれば、 狂ったピッチの音は出さない」はずです。アルトサックス対アルトサックスのように、同じ楽器のピッチ比較はそう難しくありません。しかしテナーとアルト、ピアノとアルト、トランペットとアルト、などの異なる楽器のサウンドのピッチ比較は、決して簡単ではありません。これらの克服のための練習は、合奏の場数 (経験)と個人練習しかありません。チューナーの音と合わせて発音練習したり、自分の音を測定したり、ピアノとの音合わせ等の練習です。複数の楽器でピッチがぴったり合ったときの音のサウンドと、合っていないときのサウンドの違いが、感覚的に分かるようになれば充分です。音感の良い人は、違いの差分の量まで感じられるようですが、それは後々への課題で良いと思います。
楽器のピッチが悪いのは重症です。…と、皆さん思っているようですが、実はそうでもありません。そもそもサックスは構造上ピッチ音痴です。ピアノやギターのように、押さえたらその音が出る、というものでもありませんし、トランペットやトロンボーンのように、演奏中に管長を調整してピッチを修正することも出来ません。サックスのピッチは「耳と口で出すもの」、という考え方が実践的な解です。まず、「安定したアンブシャ(マウスピースの唖え方)」というものが、「低音域から高音域まで同じ口の形と力加減で吹く」ということではないことを理解しましょう。「低音域から高音域まで、適正なピッチと均一なサウンドを出せるよう、臨機応変にコントロールされたアンブシャ」が、安定した、正しいアンブシャです。このためには、自分のサックスのピッチの傾向を把握することが重要です。基本チューニングをしたのち、どの音が上ずるか、下がるかを一音一音把握しておきましよう。そしてそのピッチ傾向を修正するアンブシャを、無意識にできるよう練習しましょう。楽器の温度によってもピッチの傾向は変わります。ご注意を。
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ピッチのコントロールはあくまでも耳が肝だと思います。音感、相対音感を養うトレーニングが大事かと。
チューナー信者を育てるようなことは言わないほうが良いと思います。
もちろん練習の過程でチューナーを使うのはよいと思いますが、
本番中はチューナーを見てられるわけでもないですし、最後に頼りになるのは耳です。
それができなければ、他の奏者との調和は保てないと思います。
相対音感はトレーニングで養えます。
そこに着目した練習を推奨すべきです。