サックス奏者にとって、リードは大切な相棒です。頻繁に変える場合もありますが、ほとんどの奏者が「僕はxxの3番」などと、使用リードを決めています。「リードと向き合う:その2」ではリード番手の選び方や保存方法についてお話します。
90%以上のサックス奏者が、ほぼ同じ方法で使用リードを決めていると思います。最初に先輩や先生、サックス奏者仲間等の身近なプレーヤー、サックス系雑誌の情報などから「ブランドとモデル」を選び、その真ん中の番手を購入。しばらく吹いて自分の奏法への向き不向きを判断し、「もっと固い」系か「もっと柔らかい」系ヘシフトし、様子を見る。お金に余裕があるときに「浮気」をし、他のモデルや番手も試してみる。そうして「今のリード」を決めつつも、なんとなく他のモデルも気になっている。というところでしょうか。クラッシックやブラスバンド系なら「バンドレンの青箱」、ポップスやジャズ系なら「ダダリオのJazz Select]、正統派のビッグバンドやバップ系のサックス奏者なら「リコのLa Voz」あたりが「最初のリード」でしょうか。最近ではリードを一枚ずつバラ売りしてくれる店舗もあるので、「変更」や「浮気」の頻度は高いかもしれません。とにかく、自分のリードが見つかるまで、ある程度の効率の悪い出費は必要なようです。サックス吹きの宿命ですかね。でもでも、本当にあなたの「今のリード」は自分にとって最高な選択なのでしょうか。リードは自然の植物、「ケーン」が原料です。どこの産地のケー ンを何か月乾燥させ、どういった状態のケーンをどのように削るか、がリードの「設計要件」です。またリードの番手は設計で決まるのではなく、加工後の検査で硬度に応じて番手を振り分けます。かなり「自然まかせ」で「運頼み」です。奏者がリードに求めるのは、「気持ち良く吹けて、良く鳴ってくれる」事だけです。そう考えると、毎回違うリードを箱買いする、なんてこともアリのような気がしますが、どうでしょうか。
リードの保存方法は「ウエット派」が台頭して来ています。密閉式のケースに保湿剤を入れて、リードの「湿り気」を最適に保持して保管する、というやつです。葉巻(シガー)用の保湿剤を流用したり、「乾かなきゃ良いんだろ。」と普通のリードケースをジップロックに入れるなど、コスト削減されている方もいらっしゃいます。小さな蓋付きボトルに水を入れ、その中でリードを保管するというのが流行った時代もあります。「ウエット派」にしろ「ドライ派」にしろ、重要なのは衛生面です。自分の口に入れるリードですので、雑菌がリード上で繁殖しないよう心掛けてください。見た目にカビていなければ大丈夫、と考えがちですが、目に見えない微生物による腐敗のほうが健康へのインパクトが強い場合もあります。 演奏後はリードを水道の流水で擦り洗いし、清潔なハンカチで水分を拭き取ってから仕舞いましょう。このひと手間によって、ウェット派でもドライ派でも、どちらの場合もかなり衛生的にリードを保管できます。
——————————————————————————————–
この記事へのコメントはありません。